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□黒猫、寺から消える
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 黒猫、寺から消える





「ルルーシュ!!」

声を荒げて彼を呼ぶが返事は無い。随分走り回ったせいか息は絶え絶えで喉の奥が痛い。

彼、ルルーシュ・ランペルージが枢木寺から突如としていなくなってから早4時間。寺にいる仲間達と必死に彼を捜すが中々見つからずにいる。
日はとうに暮れ、辺りは闇に覆われ僕は焦りに焦っていた。



「スザク!!」

「、カレン!?」

名前を呼ばれ後ろを振り返れば、懐中電灯を持った赤髪の少女、カレンが額に汗を浮かばせ居た。



「さ、さっき…昔の族の奴らから連絡があって、ルルーシュを見かけ、たって…―!!」


「何だって!!?」



カレンの言葉に驚愕し、クソッ!と悪態をつきながら髪をぐゃり、と掴んだ。
昔の事が頭を過ぎり、最悪の事態が駆け巡る。



「っ、ど、どうしよう―…!ルルーシュに、何か‥昔みたい、な‥‥‥!!嫌だ。嫌だよ!スザクっ!!!」


気丈な彼女は恐怖と不安に駆られ瞳に涙を沢山溜めて僕の服に縋り、助けて!と懇願する。



ルルーシュ・ランペルージと、紅月カレンはエリア11と呼ばれる大変治安の悪い地域のレジスタンスに所属していた。

ルルーシュとカレンは供に上位幹部であったが、ある日カレンが族を抜けたいと言い出し、脱退の儀式‥…所謂制裁と称された集団リンチにあった。けれど、ルルーシュがカレンを助ける為に自分がカレンを唆した。ならば、全ての責任は俺にあるだろう≠ニ嘘をいい、カレンより上の幹部だったルルーシュはカレンの分の制裁を受けた。どんなに泣き叫んで懇願しても止まない彼への暴行。半殺し‥なんてものではない想像を絶するルルーシュへの制裁にカレンは心身ともに病んでしまっていた。


…‥そんな彼等を、僕は寺に誘ったんだ。彼等みたいな子達が集団生活をしている枢木寺≠ノへと。



「、」


僕は、守るべき存在の愛し子達に笑顔と生きる喜びを与える為に寺を開いたんだ。

それなのに、今、一人の少年が消え、幼い少女の心が崩壊しそうになっている。


ぐっ、と握り締めていた拳を無理矢理解き、悲痛な少女の頭を優しく撫でた。



「カレン、大丈夫だよ?ルルーシュは君を置いて居なくなってしまう訳ないだろう?」


大丈夫、大丈夫だから。と諭す様に頭を撫でながら笑顔を向ける。震えていた彼女も、次第に冷静さを取り戻して瞳に光りが戻った。



「そう、だよね!!どんな事があっても、ルルーシュは私が守るんだ!!」

「うん。」


確固たる意思を感じ、スザクはもう一度彼女の頭を一撫でして己のポケットにある鍵を掴んで言った。




「案内、頼むよカレン!」

「まかせてっ!!」
















彼がいる、エリア11へ!


08.03.19
‐‐‐‐‐‐‐
ぬくもり寺の熱血和尚パロ。

続く、かな‥?


 

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