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□お隣りさんと×××
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 お隣りさんと×××





「やぽーい。すざぴー」


「………………………じのぴー」


突撃!隣の晩御飯を遂行中の俺に、スザクは引き攣った顔で嫌ぁ〜そうに呟いた。と、同時に閉まるドアにすかさず左足を入れて、なんとか完全に閉まるのを防いだ。けど、痛い

何々、酷いんじゃないの!?と叫ぶ俺に、スザクは、必死にドアを引いて俺の足を容赦なく蹴り続ける(脛を蹴るな!)。


「いや、も、まじで。今日はお帰り下さいっ!!!」


「イテテテテ!?馬鹿野郎!マジ蹴りすんな!!」


「じゃあ帰れ!直ぐさま帰って!後で何か奢るからっ」


「やだやだやだやだ。」


「駄々っ子!」


「お前がな!」


何ともみっともない一進一退をアパートの玄関先で繰り広げ続ける俺らに、ふと下から見つめられる視線に気付き目線を向ければ、そこにはきょとん。と不思議そうに首を小さく傾げた薄い栗毛を上でツインテールにくくり、澄んだ水色かかった紫の瞳の大変可愛いらしい少女がいた。


「…ぇ、あ」


「……ジノ?」



急に行動が止まった俺に、スザクは訝しながら顔を扉の隙間から覗かせたら、目の前、ってか目の下のふわふわ少女は、ぱぁ!と顔を綻ばせ嬉々とスザクを指差していった。




「くるるるー!」



「な、ナナリー!」


おいおい、くるるるー!って可愛いじゃないの!なんて頭の隅っこで考えてたら、さっきまで閉まってた扉が勢いよく開いて俺の顔にクリーンヒットした(思わず「ぶへっ!」なんて言っちまった)。スザクは俺なんか気にも止めずに少女の前にしゃがんで、「どうしたの?早いね」なんて優しく声をかけてデレデレ顔で頭を撫でてる。



きもっ!

「うっわ〜、くるるるキモーい」


何とか生還した俺は、スザクの元に足を進めニヤニヤと笑みを浮かべて「幼女とか許容範囲広すぎよっ!不潔!」って叫んだら冷たい眼で見られて、ぐーで思いっくそ殴られた。ああ、もちろん奴は体力馬鹿さん!俺はいとも感嘆に後方へ吹っ飛びダウン!!

ふわふわ少女は「え、え…くるるる??」と困惑しているのを、スザクは「何でもないよ。害虫駆除」って、そりゃー爽やかにこやか満面笑顔で答えていた。(親友を害虫扱いなんてひどすぐるぞ!)



まじ、加減無いし

ちくしょう!と厭味の一つでも言ってやろうと、体を起こそうとしたらフワリ、と香る花の良い匂いがして後方から声が聞こえた。


「…ジノ?お前、何倒れて……頬怪我してるじゃないか!」


大丈夫か?とスザクに殴られて出来た傷に手を触れて、心配そうに眉根を下げている美少女…じゃなくて!美女にドキドキと胸の動悸が止まらない。スザクが向こうで何やらがなっているけど聞こえない。


「え、えぁあうっ!?るるるるるーしゅさん!!」


「まったく、…どうしてこんな所に傷が出来るんだ?おっちょこちょいにも程があるぞ」


おっちょこちょい。なんて言う貴女が目茶苦茶可愛いですっ!!
ふぅ、と溜息をつくとルルーシュさんは立ち上がって反対側にいるスザクを手招きした(奴は尻尾と犬耳つきでマッハできやがった)。


「スザク、俺はコイツの手当しに自宅に連れて行くから、ナナリーを宜しくな」


「「え、」」



俺のは喜びの「え、」んで、スザクのは悲しみと衝撃の「え、」


「さぁ、行くぞジノ。ナナリー!スザクといい子にしてるんだよ?」

「はいっ、ママさま!」

「はいっ、ルルーシュさん!」



「いや、え、ちょっ!?ルルーシュさん!!?」


「なんだ?」




「…きゅ、救急箱なら僕の家にあるんで!!彼、は!家で手当お願いします!!!」

「いや、しかし…」


「お願いしますっ!!!!」



余りの迫力と、真剣に頼むスザクにルルーシュさんはビックリしていたけど、直ぐに頷いてクスリと微笑み「随分大切な友達なんだな。」とかとか的外れな事を言っている。
俺は内心、チッと舌打ちをしたのは秘密にしておこう。何だか下心見え見えで嫌じゃん

まぁ、それは俺だけじゃなくて、スザクもだけど。(ルルーシュさん家に俺を入れさせずに済んであからさまにホッとすんな!)




「よし、じゃあスザク。お邪魔するぞ」

「あ、はーい」


「…オジャマします」






 *


俺は、俺が馬鹿かもしれない。
いやはやマジでさ。今更気付いたのですよ。


「ママさま!」

「ん?どうしたんだいナナリー」

駆けて来たふわふわ少女をルルーシュさんは温和に目を細め笑い、優しく抱き留めて自分の膝の上に乗せれば、少女…ナナリーちゃん?も嬉しそうに笑っている。



「これ、ママさまを描いたの!」


「嬉しいよ、ナナリー。有難う」


「えへへ」



うん、なんだこれ

ほわほわ、ふわふわ、きらきら、まるで天使達がじゃれあってるみたいで、本当に親と子供かよ!?と己の目を疑いたくなる。
ってかナナリーちゃんは確か4歳児なのに、何か他とは違って突出してる。

知能や技能もそうだけど、母である(何だか抵抗ある)ルルーシュさんを様&tけで呼んでたりと、この短時間で様々な能力を見せられて正直感嘆している。
俺は、その事をルルーシュさんに伝えれば、彼女は蕩けそうな優しく、全てを包み込む様な笑みを浮かべて、いった。













「俺と、あいつの子。だからな」
























(………………なぁ、すざぴー)

(じのぴー?)

(俺、お前に宣誓布告するわ)

(、)



俺さ…初めてどうしても、守りたい者が出来たんだ。


それは、僕も一緒だよ?



080408
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ジノ→ルル←スザ

ああ、言い忘れていましたがルルはにょたです。子ななムズイ


このシリーズ楽しいですw



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