駄文@

□ジャミ監C
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気を取り直して


「でしたら、ジャミルさんとお話しさせていただきますね。お給料の詳細は?」
「まだカリム先輩に話が行ってないので、これからだと。」
「…アジーム家の給料ですからね…、うちの負け戦は目に見えてますが…、土曜日の監督生さんは簡単に渡しません!!」


からかって遊びたい気持ちが滲み出まくるアズールを監督生は止められない。
まぁ、雇用主と話をしようにも、ジャミルが出てくる事は必須だろうが。
案の定翌日、ジャミルはアズールとフロイドとジェイドに絡まれる。


「監督生さんから話は伺いました。」


ジャミルは満面の笑顔のアズールを見て、これはもうバレているなと、早々に開き直る事にした。
バレるだろうなとも思った。こうなる予感もしていた。だから余計に。


「…土曜日だけで構わないんだが?」
「生憎、ウチも土曜日が忙しいんですよ。土曜日以外なら構いませんよ。」
「いや、譲らない。」
「何故ですか?」
「…何故?おまえ、わかって言ってるんだろ?言わないとわからないのか?なら言ってやる。イチャイチャしたいに決まってるだろ?」


アズールはもう限界だった。
真顔で、言ってやる、ジャミルのくちびるからイチャイチャ、この3つでもうダメだった。蹲み込んで笑い転げた。
まるで意地悪されて泣かされた子のように震えながらヒイヒイと。
こうなる事が想定出来た為、リーチ兄弟も同席したのだ。


「それさぁ、土曜じゃなくても出来るじゃ〜ん?ウミヘビくんエロ〜い。」
「そうですね、せめて金曜日の夜なら譲歩しない事もありませんよ。」
「モストロラウンジの給料はどうなっているんだ?もうカリムに話は通したから、うちはこれだけ出せる。」


ジャミルが指した額にジェイドは、クッと表情を歪めた。額の詳細は伏せる。


「ヤッバぁ。小エビちゃんモストロ辞めちゃうんじゃなぁ〜い???」
「縁起でもない事を言わないで下さい!」


復活したアズールはドヤ顔のジャミルを睨む。


「…監督生さんは、すでに非常に優秀なウチのスタッフの一員となっております。ですので、ウチも譲れません。…なので…、一週間おきにしませんか?」
「……」
「今週モストロラウンジで働いたら、来週はそちらで。」
「……」
「週一勤務をご希望でしたら、それは金曜日にしてください。ウチ本当に暇じゃないので。」
「……」
「どうですか?」
「…その辺が妥当か。わかった。それでいい。」
「では来週からはそのように。いやぁ、それにしても驚きましたよ、ジャミルさん。まさかあなたとあのひとが…。決め手はなんだったんですか?ずっと好きだったんですか?馴れ初めは?」


解決した途端に、アズールは熱愛報道に迫る芸能リポーターと化した。
露骨に嫌そうな顔をするジャミルに容赦なく、根掘り葉掘り弱味を掘り出そうとする。


「…ノーコメントだ。」
「ねぇねぇねぇ、ウミヘビくんさぁ〜、小エビちゃんともう、コウビしたんでしょ〜?どうだったぁ〜?」
「な、何て事を聞くんですか、フロイドッ」
「…………クッッッッソ気持ちよかった。」
「まぁじぃでぇ〜???」
「な、こっ、ここは学校ですよ!」
「ん?お前らから振ってきたんだろ、遠慮するな、最後まで付き合え。」
「そ、な、やめて下さいっ、聞きたくありませんっ!」
「ジャミルさん、人間同士の交尾は非常に興味深いのですが…、あまりアズールをいじめないであげて下さい。」
「フン、あまり監督生に馴れ馴れしくするなよ。」
「うわダッセ」
「おやおや、ふふふ。…ずいぶん余裕がありませんねぇ。」
「…おかげさまで、いっぱいいっぱいだ。」
「…恋愛って、こえー。」
「本当に。」


ともかく、こうして無事に?話はまとまったのだが


「アイツには知られたくなかった…」


ジャミルもそれなりのダメージを負った。
アズールが下ネタ耐性よわよわで助かった。事なきを得た。
放課後、バイトが始まるまでの少しの時間だけでも、2人は空き教室でイチャイチャするのが習慣になりつつあった。


「大丈夫っすよ、面白がってるだけですから。」
「それがとても不快なんだ…。それよりも問題なのはフロイドだ。なんだあいつの勘の良さは…。」
「そういうのに鋭い人もいますからねぇ。」
「…ハァ…、まぁ、ともかく。来週から頼む。人手は多ければ多い程助かる。寮生も少し休ませてやれる。」
「頑張ります!」


彼女は握り拳を作り、微笑む。
それを見て、彼も微笑む。


「俺に見惚れるなよ。」
「何言ってんすか、もうとっくに見惚れてますよ!」

馬鹿だなと、彼はまた笑った。


こうして、彼女が週1でスカラビアの厨房でバイトする事になり、ジャミルの企み通りに週に1度、必ずお泊まりする日を設けた…、はずだったのに、思い通りにはいかなかった。

監督生のまわりにはたくさんの人が集まる。
常日頃、彼女はグリム、エース、デュース、たまにジャックらと学校生活を送っている。

サバナクローでもバイトをしている彼女は、最初こそいじめにも近いような扱いを受けていたのに、今では謎の圧倒的支持を受けている。
噂では、サバナクロー生と一悶着あったらしい。
彼女は陰で頭突き監督生と呼ばれている。
噂の真意を色濃くするように、レオナやラギーも彼女を構う。
そしてオクタヴィネル、ハーツラビュルはもちろん、イグニハイド、ポムフィオーレ、ディアソムニアと、万遍なく交友関係を広げている。

彼女はなかなか1人にならない。
普段からエースやデュースが、あえてそうしているのもあるが、1人であるからこそ、誰かしらが彼女に声をかける。
昼食を一緒に食べる約束をしなければ、彼女をキープするのもままならない。

そんな彼女だから、スカラビアで働くようになっても、バイト先をラギーに嗅ぎ付かれ、魅力的なお賃金に食いつき、ジャミルに直々に交渉し、不定期で働きにくるようになったり、学園長が彼女に面倒な依頼を頼み、バイトどころではなくなったりと、彼の企みが叶う事なく、1ヶ月は無情に流れていったのだ。


「ジャミルくん、めっちゃ機嫌悪くないスか?」


スカラビアの厨房で、ラギーと野菜の下処理中。
ラギーも監督生もスルスルと作業をこなしていく。
結構な量のジャガイモの皮が次々に剥かれ山になっていく。
ジャミルが、この2人が厨房にいれば寮生はいらないと判断する程、2人は仕事が早かった。今日も厨房には2人しかいない。
2人とも話をしながらも、作業の手は止めない。


「カリム先輩が昨日、宴するって言ってましたねぇ。」
「は?一昨日やったばっかじゃないッスか。なるほど、それはご愁傷様ッス。」
「私、マジでカリム先輩が別次元です。」
「それには俺も同意見ッスよ。いいッスよね、お金持ち様は。」

そこへジャミルが入ってきた。
大体の作業を終わらせている2人に、ただ感心する。

「相変わらず仕事が早いな。」
「今日はカレーなんスね。」
「ああ、多めに作るから、2人とも持って帰っていいぞ。」
「やった!恩にきるッス!ジャミルくん!」
「ありがとうございます!これで1週間は凌げます!」
「もって2、3日だぞ。また分けてやるからさっさと食え。」
「ハーイ!」
「全く、お前は返事だけはいいな…。」
「………あー、なるほど…。」
「ん?どうしたんですか?ラギー先輩。」
「お2人はお付き合いしてるんスか?」

まさかの2人目が現れた。
シシッと笑うラギーに、固まるジャミルと監督生。

「隠してるんスか?」
「や、隠してはないです…。」
「わざわざ言って回る必要はあるか?」
「みんなにバラしてもいいんスか?」
「別に構いません。」
「…まぁ、その方が、俺がコイツを独占できる時間が増えるな。」
「ぶはっwwww出来たらそれは避けたいッスね。ウチでも監督生くんは非常に有能な戦力なんで。」
「いや、私そんな何もしてないですよ?」
「いやいや、マジで助かってるッス。俺も楽させてもらってるッスよ。」
「ラギー先輩が楽出来てるんなら、良かったです。」
「天然たらしッスね。ジャミルくんて苦労せずにはいられないんスか?」
「誰が好き好んで苦労するか。」
「シシッ、ま、俺もそこまで暇じゃないんで、見返りなしに言いふらすような事はしないッスよ。独占されても困るんで。」
「言いふらしたところで、変わらないだろうしな。」
「あー…、遠慮するようなやつらじゃないッスねぇ。」
「???」
「俺ともいっぱい遊んでほしいッス、監督生クン♡」
「頼むから遠慮してくれ。」


しかし、ラギーにバレた事はジャミルにとって、事態を好転させる鍵となった。
ラギーが報酬さえ貰えるならば、きちんと仕事をこなす事は、スカラビアの厨房でも証明されている。
だからジャミルはラギーに自腹を切る形で報酬を上乗せした。
そうすればラギーは完璧に仕事をこなすのだから。
おかげさまで、その夜は念願叶ってお泊まりになった。




「あ♡あ♡あ♡おく♡いや♡あぁっ♡いくの♡いやぁ♡」
「ん?奥が、好きなんだろう?」
「イッちゃう♡から♡だめ♡あ♡あぁっ♡」

回数を重ねれば重ねる程に、快楽の底へ堕ちて行く彼女。
それを見る事が出来るのも、知っているのも、ジャミルだけの特権。

「…イキたくないなら、イカせないようにしてやろうか…?」
「っ♡」
「…っ、イク寸前で止めて、焦らしてみるか…?」
「や♡あ♡」
「お願いだからイかせてって、おねだりしても、お前が望んだ事だからな…、簡単にはイカせないぞ…?」
「あ♡あ♡あぁっ♡」
「どちらがいいか、選ばせてやる。まぁ、今は…っ、」
「あ♡いく♡イッちゃう♡」
「いっぱい、イかせてやるからな…!」
「あぁ〜〜っ♡♡♡」

ジャミルが遅いのか、監督生がイキやすいのかは、定かではない。
だけど監督生は回数を重ねる毎に、イキやすい身体になっていく。
ジャミルが射精するまでに、彼女は二回から三回はイッている。
そしてジャミルは一度では満足出来ない。
彼女とセックスする機会が月に一度あればいい方だから、余計に。
週に何回か出来れば、回数も減るだろうが、週に何回も出来る程お互いに暇ではない。

「あぁっ♡きもち♡いぃ♡すき♡おく♡きもちいぃの♡」

しばらくイキ続けると、彼女の口から嫌という言葉が出なくなる。
ジャミルはこの時の彼女が見たいからこそ、回数を重ねているのもあった。

「っ、はぁ、…奥を、どんな風にされるのが、好きなんだ…?」
「おく♡ずんずん♡とんとん♡するの♡好き♡すき♡」
「…こう、か?」
「〜〜〜っ♡♡♡」
「それとも、こうか?」
「あぁ〜〜〜っ♡♡♡」

理性が快感で掻き消されて、馬鹿になる彼女が愛おしくて仕方ない。

「なにが、どう、きもちいいんだ?」

普段なら絶対に言わない事を

「じゃみぅ♡せんぱいの♡おちんちん♡おく♡とんとん♡するの♡きもち♡いい♡」

素直に淫らに口にする。

「…ちゃんと言えていい子だ。御褒美をあげような。」

枕元に潜めていたローターを取り出して、クリトリスに当てがう。
スイッチを入れて、押し当てる。

「ひあぁっ♡♡♡」
「…っ、好き、だろ…?」
「あぁ〜っ♡♡♡」
「はぁっ、ちんぽで、奥まで犯されながら、クリトリス責められるの、好きなんだろ?」
「しゅき♡なかも♡クリも♡ぜんぶ♡きもち♡いい♡」
「っ、クソッ、そんなに、締め付けるな…っ、はぁっ…」
「いく♡いく♡どっちも♡いく♡」
「あぁ、俺も、もう…っ」
「あぁあ〜〜〜〜っっ♡♡♡」

グッタリと意識を手離した彼女の額に、キスをするジャミル。
身体を重ねる時だけ、彼女が自分だけのモノだと実感出来た。
多少の無理をさせている自覚はあれど、その身体を自分だけに開くこの瞬間が、たまらなく好きだ。
束縛したくないなんて、建前だ。
繋いで縛り付けて、閉じ込めてしまえたらいいのに。
そう思う程度には、彼女が彼を侵食していた。
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