駄文@

□ジャミ監G
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彼の手は性急に彼女の寝巻き代わりのパンツも下着も一緒に脱がせて床に落とす。
片足を持ち上げて指で触れると、充分に濡れているのを確認するように、入口をなぞる。

「ん、ンン、んぅ…っ」

急展開についていけない彼女。
こんなに余裕のない彼は初めて見た。
そんなに、あの動画をお気に召したのか。
そんなに、あの動画を望んでいたのか。
こんなに、あの動画に破壊力があったのか。
こんな彼が見られるなら、どんな恥ずかしい事でも応えてみたくなる。
しかし彼は余計な事を考える間は与えず、指を中へ潜らせる。
彼女の戸惑いが掻き消えて、快感に変わっていく。
彼は十分に泥濘んだ中を確認して、早々に指を抜くと、パンツをずり下ろし、勃起したモノをそこへ押し当てた。そのまま擦り付ける。キスしたまま2人の目が合う。唇がまだ触れる距離で

「…覚悟は、いいか…?」

彼は最後の理性でそう尋ねた。
彼女は彼の言葉を思い出す。
逃れようがないこの状況を、彼女が嬉しいとしか思わない時点で、覚悟など決まっているようなものだ。
だから彼女は黙ったまま、迎え入れるように入口へ導き体重を乗せた。彼は迷わず中へ突っ込んだ。
彼女の声にならない声が、唇の隙間から漏れる。
いつもより興奮し過ぎて馬鹿になってるのか、いや、それもあるが避妊をしていないから普段以上に気持ちが良い。
薄いゴムを隔てるのとは違う、ぬるぬるとした肉襞がヒクヒクと蠢き纏わり付く。
彼は生挿入の威力を思い知る。ヤバい。これは癖になる。もうゴムなんかしたくない。ずっと生でヤリたい。気持ち良さが桁違いだ。知るべきじゃなかった。男なら誰もが虜になる。馬鹿になる。クッッッソ気持ちいい。
しかし彼女はそんな彼の心中を、わかるわけもないし、それどころでもない。
望んで受け入れた。だけど入り込んできた彼は、ただただ気持ち良かった。
彼を迎え入れるぐらいにまで興奮していた自分が恥ずかしい気持ちと、彼が中を満たす事が嬉しい気持ちが、体勢的に奥の奥まで届いてる事で、圧倒的な気持ち良さで塗り替えられていく。
彼女の表情は雄弁にそれを物語り、それに気付いた彼がじっと見つめている。
視線に耐えきれず、彼女は手で口元を覆う。彼はそれを許さず手を掴む。ニヤニヤしながら見つめてくる。羞恥から逃れられない彼女は目を閉じる。しかしその分色んな感覚が過敏になる。ただでさえ興奮しているから、動かずじっとしているだけで、彼女は快感を拾ってしまう。爪先立ちの足がガクガクと震えるのすら、接合部への刺激に変わってく。 

「…生で、即入れされて、気持ちいいか…?」

彼女の心中を彼はあえて言葉にする。
彼女の動画に足りないと思っていた事だった。

「…まだ、動いてないぞ…?」

じっとしているだけで、彼女はビクビクと震える。勝手に気持ちよくなっている。この様子だとひと突きしただけでイッてしまうのではないか。少し慣れてきた頃合いを見計らって腰を引く。
亀頭はまだ入口に埋まってるくらいまで。
入口が離すまいと吸い付く刺激に逆らって、奥へ戻る。

「〜〜〜っ♡」
「っ、はぁ…っ、くっ…」

彼女は彼に抱きつき、唇を肩で塞ぐ。
身体も頭も馬鹿になってしまいそうな強烈な快感は、何を口走るかわからない。
まだ理性があるうちに、彼女はその口を彼の肩を噛む事で耐えた。
彼にもそれが生々しく伝わる。絶頂したからこその痙攣が、根本からむしゃぶりついて奥で吸い付く。
壁に彼女を乱暴に押しつけて、またゆっくり出してからいきなり入れる。
それだけで中は甘く彼を、同時に彼女も追い詰める。
息を荒げ、快感でぐちゃぐちゃに蕩ける彼女の顔と、吸い付くように蠢く中が、早く出してとせがむように甘えてくる。
抗っても逆らえない快感に、彼も同じように息を荒げ、快感でぐちゃぐちゃに蕩ける顔で彼女を見つめる。
吐息と湿った音だけが室内に響く。
彼は彼女の足を抱え上げて、ただ欲情の赴くままに揺さぶる。
服もロクに脱がず、部屋に入ってロクに会話も交わさず、即挿入して、ものの数分程度で彼女はすっかりトロトロだ。
まだ始まったばかりだ。なのに彼女はまた達してしまう。
力が抜けて彼に体重を預ける彼女を抱き上げて、やっとベッドへ移動した。
彼女の両膝を、顔の両側につくまで折り曲げると、彼女の腰が浮く。
剥き出しになった彼女の入口は、愛液が溢れて伝い落ちるほどドロドロで、誘うようにヒクつく。焦らすように先端をちょっとだけ埋める。入口はヒクヒクと中へ誘う。彼女の腰も揺れる。

「…はやく、おくまで、いっぱい、いれて…」

熱に浮かされたように、彼女は甘えた声でねだる。まだ挑発する余裕があるらしい。もう遠慮はいらない。思い切り奥へ、一気に根元まで。ぐりぐりと亀頭を押し付ければ、奥が甘く吸い付く。
彼女は甘く喘ぐ事しか出来ない。
彼は快感に耐えながら彼女を追い詰める事しか考えられない。 
いつもなら、上側がいい時と奥がいい時の違いがあった中が、今日ばかりは何処を責めても悦ぶ。ただ腰を動かすだけで蕩ける。
十分な下準備もなしでのこの有り様に、彼の口元は歪む。
一心不乱に彼女を責めれば、限界も近付く。
このまま中に出してしまいたい。
だけど彼は彼女の中から引き抜き、彼女の腹を精液で汚す。
彼女はそれに触れて、あったかいと呟くだけなのに、どうしようもない劣情に襲われる。
まだまだ物足りない彼は、それでも汚した腹を綺麗にしてから、彼女をうつ伏せにする。腰を持ち上げ、休む事なく後背位で2回目。
もう、セックスする事しか考えられない。甘く蕩けた中に突っ込む事しか考えられない。自分だけの女を支配する事しか考えられない。

「あぁ…っ、あ〜っ、あ、あ、あぁ〜〜〜っ♡」

ゆっくり出す、ゆっくり入れる、奥をトントン叩いて、ぐりぐり押し付ける。
その度に彼女はただ甘い声で答える。
少し余裕が出てきた彼は、背後から彼女に覆いかぶさって耳を舐める。
長い舌が外側から内側を舐めながら耳朶に吸い付いて、耳の穴へ舌を出し入れする。
耳を責める彼の、唾液を絡ませて、舐めてしゃぶる、たまに吐息がかかる、その音だけが彼女の鼓膜に響く。
鼓膜が、頭の中が、湿った音で強制的に満たされていく。
それは十分過ぎる刺激になって、彼女の中は更に彼を締め付ける。

「や、あ、あっ、あ〜〜っ♡」

何度目かの絶頂。彼女は身体全体を震わせて、余韻に浸る間もなく奥を抉られる。絶頂は終わらない。

「あ、あぁっ、あ、あっ、だめ、いってるの、だめ、あぁっ♡」

腰が下がり、ベッドに沈みそうな彼女を引き寄せ、背面座位になる。
枕に寄りかかる彼の上で、彼女は彼にもたれ掛かる。
はぁ、はぁ、とお互いに荒い呼吸を整える。
まだ繋がったまま、彼女の呼吸とは不規則に蠢く中の奥まで侵入したまま。
彼は、彼女の肩や首筋に吸い付く。
彼女の身体はまだ余韻が残ったまま。動かないでじっとしてるだけで、奥がきゅんきゅんと勝手に疼く。もっと良い所に当たるように膝立ちになって、もっと刺激がくるように、彼女の腰が勝手に動く。
休憩は不要だった事を詫びるように、彼が腰を密着させる。
彼女はまるで待ちかねていたように、彼の動きに合わせて腰を揺らした。
彼女は躊躇いなく快楽を貪る。それなら、と彼の指が乳首を摘む。もう片方の手はクリトリスへ。彼女が好きだと言っていた、触って欲しいと言っていた。忘れるわけがない。触らないわけがない。
背面座位の利点を活かせば、彼女の声はもっと甘く切羽詰まっていく。

「はぁっ、あっ、あっ、いっしょ♡だめ、だめ、そんなの、だめっ」
「ん…?一緒に触るの、好き、なんだろ…っ、」
「…っ、すき、すき、あ、あ、あ、イッ、〜〜〜っ!」

彼女の身体に甘い快感が増えれば、彼女はなすがままにイッてしまう。
それでも止めずに触れ続けたいが、中は精子を求めていやらしく収縮する。
彼が観念して手を離すと、彼女は逃れるようにベッドに倒れこむ。

「〜〜〜っ、はぁっ、はぁっ」

やっと解放された彼女はベッドにうつ伏せになり、呼吸を整える。
彼はそこでやっと服を脱いだ。
彼女は早々に全裸に剥かれ、服は移動過程がわかるように点々と散らばっている。
全裸になった彼は当たり前のように彼女の腰を持ち上げるが、彼女の手は入口を隠す。
彼は構わず彼女の手の甲に擦り付ける。
まだ射精していない硬く勃ちあがる先端は、彼のものか彼女のものか、判別不能な液体で滑る。
彼は押し付けながら、長い髪をかき上げて、彼女の耳元で囁く。

「…ユウ。」
「はぁっ、待っ…」
「早く、中で出したい。」

そう言われただけで、彼女の身体は勝手に熱くなる。子宮がそれを喜んで望んでいるように。
しかしちょっと休憩を挟みたい。
入口を隠していた手で、押し付けてくる彼の亀頭を包む。
ぬるぬるのソレを、手のひらでくるくると回すと、彼の息が乱れる。
焦らすなと睨まれ手を掴まれて、抵抗は虚しくまた彼が中を満たす。
彼は余裕がなさそうに出し入れを繰り返す。息が荒くなっていく。
いつも以上に気持ちがいいから、いつもよりも余裕がない。まだこの感覚に慣れていない。
いつもだったらこんな状態の彼女を言葉でも興奮させている所なのに。
だけど今はもう何の言葉も思いつかない。語彙は快感に殺された。
エロい穴がヒクヒクと精子を強請って吸い付いて離さないのが悪い。
そう言えば、2回目以降から欲望の赴くままに、ずっと後ろからしか責めていない事に、彼は今気付く。征服欲のいいなりだ。だけど今彼女の顔を見たら色んな意味でヤバい。

「あ〜っ、きもち、いいぃ♡」
「…あぁ、はぁっ、もう…っ」
「あっ、あ、あ、はぁっ」
「はぁっ、は、っう、…っ!」
「あ、あ、あぁ〜〜〜っ♡」

奥で精液を出される感覚が彼女に伝わる。
ドクドクと脈打ちながら、奥に注がれているのがわかる。
咄嗟に彼の顔が見たいと思ったが、後背位では難しい。ただ、耳元で彼の荒々しく切羽詰まった呼吸だけが聞こえる。
まだ小出しに射精を繰り返す彼を、もうこのまま出し切って終わらせてしまいたい気持ちだけで、彼女は中を締め付けた。
しかし中の質量は変わらない。
そっと手で触れてみる。萎えていない。
彼にとってはまだ2回目だが、彼女にとっては数える余裕もないほどイッている。
しかし彼は中から出る気はない。首筋や肩にに口付けながら

「…一度や二度で、終わると思うか?」

興奮冷めやらぬ声色で、肩に噛み付く。

「覚悟しろと、言っただろう。」

犯される彼女に拒否権などない。
しかし彼女は覚悟が出来ている。
今日は彼の為に捧げると決めている。
今日は彼の誕生日だから。
今だけは、こうしているときだけは、頭の中を空っぽにして、現実を忘れるくらいに、この行為にのめり込めばいい。
だからいつも選ぶカードは挑発一択。

「…いっ、ぱい、ぐちゃぐちゃに、して…」
「…言ったな?」

彼は満足そうに笑う。
抜かずに3回目。
揺さぶられ、中を奥を突かれ、気付いたら正常位で、余裕なくも意地悪そうに笑みを浮かべる彼は大変楽しそうだ。
でも、笑っていてほしい。
その笑顔だけで、もう十分だ。
気を失っても終わらない、長い長い行為から彼女が目を覚ました時、彼女は温かいお湯の中にいた。



「おはよう。」

背後から彼女を覗き込む彼。
現状を把握するのに時間がかかった。
スカラビアの大浴場にいる事はわかった。
しかし確認したい事が、いくつか。

「…おはよう、ございます…。今…、何時、ですか…?」

発した彼女が引くくらい、声がカサカサだった。

「早朝5時、半を回ったところか。」
「…ご満足、いただけましたか…?」
「やり過ぎたと思っているくらいには。」
「…頑張った甲斐が、ありました…。」 
「…ユウ。」
「はい。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」

ふにゃりと、力なく笑う彼女。
そのまま彼女はまた目を閉じた。

彼女は何も言わない。
彼の事情には一切触れない。
その先の未来の話もしない。
今を楽しむ工夫しかしない。

彼も未来の話はしない。
だけど、言わないだけで考えてはいる事を、彼女は知る由もない。

彼女は何も言えない。
彼女には約束なんて出来ない。
明日すら、どうなるかなどわからないのだから。
ただ、これからもずっと、誕生日を祝える事を願ってる。










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