オリジナル
□不可
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黒い月が見えた
まわりは真っ白 全部まっさら
気が狂いそうな白の中を あの月が照らしてくれてた
だから私は正気でいられた
あの黒だけが 道しるべになってくれる
でも 何の道しるべかわからない
どこへ行けばいいのかわからない
影だよ。
声が聞こえた
君は影だよ。
人形が立ってた
かわいくて 皆から愛されてる人形だった
何で知ってるんだろう
光は影のいられる場所じゃないよ。
人形は楽しそうに笑った
君の行き場所は あそこさ。
人形は黒い月を指した
ああ そうか
私は私の体をみた
私は人形の影だった
いつしか人形になりたいと思った影だった
狭い世界から抜け出したいと願った影だった
でも外じゃ生きられなかった
私はあの小さな黒を目指す
くるくる踊る人形の姿を背にして
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