Amestris
□ヴィギナの伝説
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ある日の夕方……。寂しいほどに静かな駅のホームに少年が寝転がっていた。
その少年はエドワード・エルリック。金の瞳と三つ編みに縛った金髪が特徴で、少々小柄だ。
そのそばにいるのは、二mほどもある鎧姿のアルフォンス・エルリックだ。
「今回も外れだったね。」
「ああ。はっきりとした情報だったから今度こそ、って思ったんだけどなぁ。」
エドは頭を掻きながら言った。
「一度東方司令部へ戻ってみるか。」
「もう尽きちゃったもんね。」
アルは空を見上げた。
もう日は沈み、夜空には星がまんべんなく散りばめられている。
エドもつられて空を見上げたが、やがて連続あくびが出るようになり、気付けばぐっすりと眠っていた。
アルは兄の寝顔を見て思わず…呆れてしまった。
「……またおなか出してる……。」
エドはどうもおなかを出して寝る癖があるらしい。はぁ、とため息をつくとアルはまた星を見始めた。
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