Shamballa
□stray
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「兄ちゃんのバカ!!」
大声に驚いて、木に止まっていた鳥達が一斉に飛び立った。その木の下では、それに一番驚いた俺と、弟のアルがいる。
「な…何だよ、何で怒るんだよ?」
「僕の錬成バカにするからだろ!!」
「しょうがないだろ、俺より下手くそなんだから」
「何でそんな事言うんだよ!!僕だって頑張ってるのに……」
「あーうるさいうるさい」
「っ……バカぁぁぁ!!!」
「あでっ!!やったな!」
「いっっ……痛く……ないもん……うわぁぁぁぁぁん!!!」
「お前みたいな嘘つき野郎大嫌いだ!!どっかいっちゃえ!!」
「わぁぁぁぁぁん!!!」
「……うるさい……うるさいうるさい……っ!!アルなんか、いなくなっちまえばいいんだ!!」
しん、と辺りが静まり返った。
「……? ……アル……アル! アルフォンス!?」
何も返ってこない。誰も居ない。
「……母さん!! ウィンリィ!! ばっちゃん!! ……大佐、中尉!! ………親父ぃ!!! 頼む……誰か……っ」
暗い。 寂しい。 怖い。
「…アル…アルぅぅぅぅ!!!」
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