NoveL

□HAPPY Together
1ページ/1ページ


今、僕たちは高校生で、
たとえこの先ずっと、貴方と一緒にいられたとしても、
結ばれることはない。

流石の貴方でも、それは覆せない。

そう思っていた。

部活が終わって皆が帰って…、そしたら貴方は手招きして「ちょっと来い」と僕に言った。

貴方の前に立って「目を瞑れ」と言われて…、


ぽす。っと頭に被さる、何か。


僕の頭から胸くらいまでを覆うそれは。

「―ベール…やっぱそんなんじゃちゃっちいな」

そう言って伸びてきた指が頬を掠め、僕の口唇に重なる同じ感触。


モノはイイけど玩具のティアラで、そこから流れるベールはちょっと高そうな、半透明の布。


いつか…なんていつになるかワカンネェけど、テメェのコト幸せにするって証。


その証は夕暮れ時の茜色の空に反射して、それを細目で眩しそうに見る貴方は
いつもの態度からは想像できない
「ショボくてわりぃな」 と、
少し困ったような笑顔を僕に向ける。


そんな優しい貴方に
僕も誓う。


ヒル魔さん、

貴方と幸せになります。と。


 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ