NoveL

□目の前
1ページ/2ページ




前を見ないようにしていた。
前を見てもろくなことがないから。

目の前は暗いのか白いのか…ひどく曖昧な、ボヤけた世界が広がっている。

目の前には人。
その瞬間僕が考えるのは、
敵か 味方か

人間は苦手。
僕を含む、ね。







目の前には金色。
美しい彼の髪は好き。

目の前は空のような、吸い込まれそうな瞳がある。

とてもハッキリと、
『僕の世界』に彼は存在する。

なにも怖くない。
敵?味方?
それは試合のこと?



嗚呼。

ただただ見入ってしまって

まわりは酷く曖昧で、

けれども

悪魔と謳われる貴方から
広がってゆく
ハッキリとした存在感は



やがて僕の世界を明瞭にさせ



目の前を覆いつくしてくれるんだ…

世界がこんなに綺麗だなんて

教えてくれたのは










もちろん


愛してるアナタなんです。
















→あとがき

.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ