短編
□one's love for one's country
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カガリは、執務室で報告書を読んでいた。
だが、カガリの手は、ずっと止まったままで、
キサカは、カガリの名を呼んだ。
「カガリ?」
「なぁ、キサカ。これは、どういう事だ??」
書類を見ると、アスラン・ザラのオーブ軍への
志願書だった。
キサカは、カガリと恋仲にあったと言うべきの
彼の気持ちを、温かく思いカガリに目を向け
る。
だが、キサカはカガリの顔を見て、驚いた。
「まさかお前、アスラン・ザラをオーブ軍に
入隊させたのか???」
キサカはカガリなら、喜んでアスランを迎え入
れると思っていたのだ。
だから、わざわざカガリの目が届く所に
志願書を置いた。
「あっ、あぁ、だが、カガリも・・・嬉しいだろ??」
「私は、ネオジェネシスを撃つ際は、
オーブ軍に身を置くのは仕方ないと、思っていた。」
「えっ・・・?」
「だが、今はそうは思わない。」
「だが、一番の功労者であろう??」
「それは、功労金を払えば良い事だ。」
キサカは何故そこまで、アスランを遠ざけるの
か分からなかった。
「キサカ、私は。許せないんだ。」
その言葉が執務室に響きわたった。
**
「マーナさん、お久ぶりです。」
困ったように笑う彼を見ると、
懐かしい思いにさせられる。
「まぁ、まぁ、アスラン様。
お久しゅうございます。
元気にされておりましたか??」
「はい、あの、カガリは???」
「えぇ、えぇ、カガリ様は、今行政府に行っておられます。
さぁさぁ、お上がり下さい。」
アスランは困った様に微笑みそれを丁寧に断った。
「いえ、今から慰霊碑に行くので一緒にどうなのかと、思っただけですので。
これを、カガリに。」
そう言うと、カガリ様が大好きなカサブランカ
を渡した。
「カガリ様が、帰っていらっしゃったらお渡しいたしますね。」
アスランは顔を赤く染めながら、宜しくお願いします。丁寧にお礼を言い去って行った。
**
「カガリ??」
「なぁ、キラ。」
「うん?」
キラは、アスランを准将にと推薦してきた。
そんなキラに多分双子の兄も気づいてはいて、
そう言っているのだろうと。
でも、キラはアスランの親友でもあるから。
「私はアスランはプラントに帰るべきだと思うんだ。」
「うん。」
「これは、カガリとしてだが、今からはアスハ
として・・・だ。」
「うん。」
「アスラン・ザラは、脱走僻があり、オーブに
忠誠を誓えるとは思えない。オーブ国民であっ
たのに、クレタ沖でオーブ軍を撃った。
それを、私は、カガリ・ユラ・アスハは許せな
い」
カガリの気持ちが痛いほど分かっていた。
でも、カガリは、ひょっとしたら、許している
のではないかと、思ってしまっていた。
「うん。僕、オーブに残るよ。」
だけど、カガリが頭をふるふると振った。
「お前は、お前の一番大切な人のところの居な
くちゃダメだ。」
「でも!!」
それでも、カガリの気持ちは変わらないと分か
って。
「ね、カガリ、僕はラクスも大切だけど、
カガリ、君のことも同じくらい大切なんだよ?」
「だったら、お願いがある。」