戦国バサラ成り代わり小説
□銀の瞬き(1)
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『・・・小太郎君やい。』
畳に寝そべり煎餅をパリパリ食べながらそう呼べば、彼は一瞬にして俺の前に姿を現してくれた。
『ん〜、なんか暇。面白いことないか?』
目線が少し高い小太郎君をちょっと見やれば、口元に笑みを浮かべた彼が「ん・・・」と言いながら顎に手を置いて考え始めた。
なぜか片方の手は俺の腰を撫で回してくる。
まぁ優しく撫でてくれているしきっと座りっぱなしだった俺の腰を思ってくれてんだろう。
本当俺みたいなニートを甲斐甲斐しく世話してくれる彼に俺は『小太郎君をお嫁さんにしたい。』なんて零してしまう。
すると急にぎゅっと抱きしめてスリスリし始める小太郎君に思わず笑みが零れる。
自分の戯言に付き合ってくれる小太郎君にちょっと保護欲が出てきた。
『本当小太郎君大好き。こんな俺だけどずっと傍にいてくれる?』
もしかしたら「んなわけねぇだろうこの万年ニート。」とか言われるかもと思ったが(言われたら言われたでマジで凹む)、小太郎君はこちらに満面の笑みでコクコクと頷いてくれたのだ。
いや、本当いい子だ。
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