戦国バサラ裏小説
□夜の摩天楼
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今日はついていない。
いつも通りバイトから家に帰宅していたら、柄の悪い男三人に囲まれていた。
「俺様って不幸体質?」
そう呟いたところで現状は変わらず。
男の一人が前に出て言った。
お前の母親がうちに借金をしていたが踏み逃げをした、とね…
よくある話だ。
しかもそれが自分の母親だから情けない話だ。
「またかよ〜・・」
俺は頭を抑えながら唸った。
俺も正直ギリギリの生活を送っているから、蓄えなんて雀の涙ぐらいしかない。
だいたいなんで俺が払わなきゃならないのか理解不能だ。
「いったいいくらなワケ?」
俺が静かに問うと、男は指を三本突きだした。
「・・30万?」
俺がそう言うと男は首を振り、3000万と答えたのだった。
払えるわけないでしょ。
俺はへらっと笑うと男を突き飛ばし、煌びやかな街の中へと逃げた。
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