戦国バサラ裏小説
□夜の摩天楼 Trapped
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「佐助、いい子でお留守番をするんだよ?」
「うん・・・早く帰ってきてね?」
今朝少し遅目に出勤を果たしたのだが、佐助のあの寂しそうな顔が忘れられない。
佐助のいない頃は仕事一筋で邸に帰らないこともしばしばだったが、今では忠犬よろしく夕方に帰る毎日だ。
俺は食事をする間も惜しんで仕事を片付け、早く帰ってきては佐助と夕飯を供にしたり、一緒に絵本を読んだりして束の間の一時を楽しむ。
ちなみに最近佐助のお気に入りの絵本はラプンツェル。
なんでもラプンツェルの美しい髪が気に入っているとか。
俺に言わせれば佐助の髪のほうがふわふわとして触り心地も抜群なのだが、本人である佐助はこの黄金のサラサラヘアーがいいらしい。
「こたろう、これ読んで?」
昨晩寝る前に持ってきた絵本は赤ずきん。
わくわくしながら俺に後ろから抱かれている佐助を見て、俺は自分が狼になった気分になる。
「・・そして狼はおばあさんと赤ずきんを丸呑みしてしまいました。」
ここまで読んでやると佐助はフルフルと震えながら絵本を凝視している。
ふと絵柄を見てみると、狼が二人を大きな口を開けて丸呑みしているシーンが描かれている。
「恐いの?」
俺が聞くと佐助はコクンと頷く。
この時俺はいい考えを思いついた。
「佐助、本当は食べられるのって気持ちいいんだよ?」
俺が佐助の耳元で囁いてやると、ピクンと体を震わせて俺を見てくる。
「や、痛いよ。」
「どうしてそう思うの?」
俺が優しく尋ねれば佐助は素直な答えを返してきた。
「ガブッて噛まれて食べられたら痛いに決まってるもん。佐助、痛いのはやだ。」
「じゃあ痛くなければいいんだね?」
俺はそう囁きながら佐助の乳首にあるピアスを指で弄ぶ。
「あぁん、こたろ・・・まだえっちしちゃだめぇ〜。」
佐助は両手で俺の右手を止めようとするが、気持ちがいいのかその抵抗は形だけでしかない。
「大丈夫。無茶はしないから。自分に素直になってごらん?」
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