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□告白
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今更いうことでもないのかもしれないけど、
かけがえのないおまえに今日は言葉にしてみようか。
今日は特別、ルキアの誕生日だとか恋仲になっての記念日だとかそういうわけじゃない。
ただ、俺の中でどうしようもない程あふれてくる想いを伝えないとのまれそうなだけ。
今は家に二人しかいない。
静かな時が流れている。
俺は課題をこなすふりをして本を読んでるルキアに心を奪われている。
ミニテーブルで向かい合うよう座っていて、熱い視線を送っても気づかない鈍いルキアに腕を伸ばす。
集中しているためか手を掴もうとしている俺にまったく気づいていない。
大真面目な顔して読書にいそしむ彼女の顔は凛々しい。
その表情を崩したくて、触れるぎりぎりで止めておいた手を彼女の手を巻き込んでぎゅっと握った。
「うきゃあ」
びくりと身をすくませた彼女が眦をキッとあげた。
「一護っ!」
名を呼ばれたのが嬉しくてもう片方の手も握る。
両手の自由を奪われた彼女が一体何事だと見上げて眼差しで問う。
言葉をつかわなくても通じる。相手の意図を正確に読み取れる。
どれくらいの関係になればこれが普通に出来るのだろう。
俺たちはいつから出来るようになったんだろう。