Y

□隠し場所
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ルキアが何かを隠すのなら、それは俺の部屋の押入れだ。

公認居候の前からそこにいたからか、妙にそこを気に入っている。

狭いし、夏は暑くて、冬は寒い場所だというのに。

だから多分、さっき見せろといったものは押入れの中にあるはずだ。

決して見せまいとしていたが、ここは俺の部屋なんだからいいだろう。

プライバシー侵害がどうのこうの言い出されたら、俺もそれを返せばいいだけだし。

わずかに感じる罪悪感に目を瞑って押入れを開けた。

いつの間にこんなに…。

一番下には毛布が敷かれている。

クッションもある。

ウサギもうじゃうじゃ。

教科書や辞書類もここにあるし。

あいつは…。

ぱっと見、俺が探しているものは見つからない。

たぶん一枚の紙か何か。

どこかに挟んだのだろうか。

ゆっくりと隅々まで視線を巡らす。

毛布の間からのぞいているのはさっきルキアが手にしていた雑誌だった。

きっとこれだ。

押入れの奥に手を伸ばして引っ張り出す。

見逃さないようにページをめくっていくと真ん中あたりに挟まっていた。

写真、だろうか。

長方形のそのカタチ。

裏返しのそれを表に返す。

そこには俺がいた。

なんつーしまりのない表情をしているんだ、まったく。

腕の中の存在に夢中で周りのことなんて目に入ってない。

過去の俺にいろんなツッコミを入れたとしてもしかたがない。

これから気をつけようといいたいところだが、きっとその時になってしまえば、そんなことどうでもよくなってしまうに違いない。

これを残しておくのは恥ずかしすぎるから捨ててしまわなければならない。

迅速に。

ルキアに見つかる前に。

そして知らないフリをしなければ。

燃やしてしまうことが一番だな。


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