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□可愛い彼
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「きゃー、黒崎せんぱーい!かっこいー」
かっこいい…か?
あんなに雪まみれだぞ。
「石田せんぱーい!!」
石田の名が呼ばれ、隣りにいる井上がぴくんと身体を跳ねさせた。
きゃーという歓声つき。
そう遠くない距離に幾人かが固まって一護たちの名を呼んでいるようだ。
今朝までに降り積もった雪は相当なものらしい。
こんなに積もるのは久しぶりだとおじ様も言っていたから。
朝起きて、遊子と夏梨とかまくらを作ったあと朝ごはん。
一護はかまくら作りには参加せずにおじ様と一緒に雪かきをしていた。
至極面倒くさそうに。
だから余計、今の一護はかっこいいとは思えない。
かっこいいではなく、可愛いだろう。
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