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□ごほうび
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「待たせた」
また一つ荷物が増える。
「まだあんのか?」
「あと二ヶ所だ」
うんざりしてきた。
ルキアと二人でどちらが似合うだとかこれがいいだとかぎゃあぎゃあ言いながらの買い物は好きだが、こうやってひとりで待っているのは面白くない。
つまらないし、何しろ荷物番みたいで嫌だ。
「一護、次の店で選んでくれぬか?」
「ああ。どこ行くんだ」
「あそこだ」
示されたのは、なんだなんつーか、男が入ってはいけないであろう的な店だ。
「いかねえぞ。ひとりで行ってさっさと買ってこい」
「なっ…松本副隊長からの指示なのだぞ。貴様もくるのだ!!」
「なんでそこで乱菊さんの名前が出てくんだよ。あ゛っ、まさかこの買い物全部…」
「ああ、すべて頼まれ物だ。こちらには現世配属にならぬ限りなかなか来れるものではないしな。あちらでは売っていないモノが多いし。こちらのモノは喜ばれるのだ」
「だからってなんでおまえが買い物してんだよ」
「それは、ほれ指令書とお金が届いたからだ。ちゃんと貴様を連れて行けとあるだろう。荷物もちに」
くっそ、ふざけんなよ。
せっかくの休み。
「嫌だったか?すまなかったな、先に言ったら付き合ってはもらえぬと思って言わなかったのだ…」
「別にもういい。おまえひとりでこんだけの荷物持てるわけねえだろうが」
溜め息をついた俺に申し訳なさそうに笑う。
「おら、さっさと行ってこい。三十分後にここな」
「うむ、わかった」
ルキアが店に入ったのを確認して俺も荷物を抱えてその場から離れる。