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□ふたりの秘密
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一体なんだこの部屋の惨状は……。
誰が見ても可愛い部屋。
言うなればウサギ部屋。
ベッドの上に鎮座したでかいウサギにはじまり、机の上やイスの上、他にも置けるところすべてにウサギグッズが所狭しと並んでいる。
床にもそれは侵食しはじめており、このまま気づかずにいたら足の踏み場がないほどに増殖したことだろう。
犯人はひとりしかいない。
「ルキアっ!!」
家中に響き渡るように大声で叫ぶと、ものすごく近くから声がした。
「何だ?一護」
見上げられた視線は少し誇らしげ。
「これ、おまえだろ」
「どうだ、すごかろう。私のこれっくしょんだ」
今、微妙に発音違ったぞ。
いつまでたってもカタカナ苦手だな。
って、そんなこと言ってる場合じゃない。
「何で俺の部屋に持ち込んでんだよ。自分の部屋に置いとけ!」
手近にあったぬいぐるみを押しつけると、嫌だと拒否の言葉を口にした。
「どうして」
このまま口喧嘩に発展させても平行線をたどるだけだから理由を聞いてみることにした。
おそらく、可愛い部屋になるだろうとか、私が好きだからだとかそういう理由だろう。
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