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□ふたりの秘密
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「さ…」
「さ?」
うつむかれて、戸惑う。
“さ”の次に続くのは何だ?
「ルキア?」
ぬいぐるみをぎゅっと力を込めて抱きしめている。
「貴様がいない夜はさみしいのだ」
えーっと、それは夜勤の時か?
ウサギが周りを囲まないといられないくらい淋しいのか?
「ひとりで寝るのは淋しいから…だから、一緒に寝ている」
小さな身体を抱きあげる。
目線を合わせるのにベッドに腰掛けて、膝上にのせる。
「そんなに淋しかった?」
うなずいたから抱きしめる。
「目が覚めたときに一護がいないのが一番さみしい」
「そっか…」
ぎゅうってしたらぎゅっとされた。
ひとつの思いつきを提案してみる。
「じゃあさ、いいものやるからこのウサギ、おまえの部屋に持っていくこと」
「これも、か?」
枕元に鎮座しているでかいウサギが示された。
ねだられて、ねだられて、買ったやつだ。
「それだけならいい。他はぜんっぶおまえの部屋な」
「うむ。いいものとは、何だ?」
「秘密」
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