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□ふたりの秘密
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「ほら、ルキア。明日朝使え」
手渡されたのは目覚まし時計。
「ありがとう、一護」
「ちゃんと、起きろよ」
普通の目覚まし時計とは違うのだろうか?
言われた意味が解らなくて、首を傾げるとわしゃわしゃと頭を撫でられた。
チャッピーを抱きしめて、眠りにつく。
一護の夢をみられるといい。
いつもそう思っている。
ひとりは淋しいと知ったから。
『おーい、朝だぞ。ルキア〜、起きたか?
……寝んなよ。起―きーろー。
……おはよう、ルキア』
一護の声だ。
笑みが浮かんでしまう。
ずるい、これはずるい。
目覚めの楽しみだ。
「おはよう、一護」
これは淋しくない。
だって、一護の声で目覚めるのだから。
止めた目覚ましをもう一度鳴らしてみようとしてやめた。
これは、次の楽しみにとっておこう。
今日、家に帰ったら淋しくなくなったって言って、
大好きって伝えよう。
喜んでくれるだろう、一護。
(終)