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□続・おそろいの
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前回の料理は大失敗をやらかしたんだ。
分量を間違えただけではなく、代用品として使った調味料が俺の予想したものではなかったため、見た目は美味そうだけど一口食べればなんとも言えない味の料理となった。
あいつは文句を言いながら完食してくれた。
“食べられなくはないが、味覚がおかしくなる”と評したそれを。
作ったことのない料理を作ろうとしたのが敗因だ。
今日は何にするか。
夕食のメニューの参考に通りの店を何とはなしに見ていると、オープニングセール実施中の看板が目に入った。
しかもルキアが好きそうな雑貨店。
「ルキア、あれ見てみ」
「どこだ?」
「向こうの角の店、おまえの好きそうな店だろ」
「寄ってもよいか?」
店内はそれなりに落ち着いたディスプレイ。
品物は整然と並べられているんではなく、その商品の一番の魅せ方がされている。
コップひとつにしても、ノート一冊にしても。
きっとこういうものが好きな人が好きでやっているんだ。
自己満足のためにではなく、同じものを好きな人に伝えるために。
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