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□続・おそろいの
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ルキアの瞳は案の定、輝いている。
大きな瞳をきらきらさせて嬉しそうだ。
真剣な表情でひとつずつ見つめているルキア。
俺もルキアにつられて商品を見る。
これはルキアが好きそうだとか、ちょっと違うなとか。
そんなことを思いながら。
それを目にした瞬間“これだ”と思った。
ルキアも同じように思ったのか、隣で小さく「あっ」と声を出している。
目を見あわせればうなずく。
黒のマグカップに白のウサギのシルエット。
同じく白のマグカップに黒のウサギのシルエット。
白い方が一回り小さくて。
ウサギもアクセント程度のシンプルなもので。
さっきルキアが言ってた出会いはこれなんだと理解った。
考えていることは通じあう。
一つずつ手にとって、レジに向かう。
今あるマグカップはまだまだ使えるけど、しばらくの間眠っていてもらおう。
二人でこの新しい揃いのマグカップを使うために。
(終)