Y

□隠し場所
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写真を手にして下へ向かおうとすれば、いつの間にやらルキアがいる。


「何をしておるのだ、一護」


すさまじく、低い声。

ちょっとやそっとじゃ機嫌は直りそうもない。


「貴様、ひとの部屋でいったい何をしている」

「てめえの部屋じゃねえ。俺の部屋だ」

「何を言う。押入れは私の部屋だ、それを返せ」


手に乗せろといわんばかりに差し出された。

否定の言葉を口にしようとすれば、大きな瞳が細められキッと睨みつけてくる。

もしここで渡さなければ、仲直りするまでに相当の時間がかかるのは予想できる。

かといって、その写真をやすやすと渡してしまうのも癪だ。


「一護。さっさとせぬと小島からねがとやらを借りて引き伸ばして真咲殿の隣に貼るが、どうする?」


それを想像した俺はただちにルキアに返した。

そんなのは絶対にごめんだ。

恥ずかしいレベルの話じゃない。


「素直でよろしい」


ルキアは笑ってもとあったように雑誌に挟んで隠した。

たった数分の出来事にぐったりしてベッドに寝転がれば、ルキアも隣にやってきた。

ひどくご機嫌な様子。


「一護、好きだぞ」


その一言で変わってしまう。

ルキアからのキスで舞い上がる。

俺って単純すぎる。

そう思っても、ほんとのことだからしかたがない。

だから写真の分も含めて、ルキアの唇を堪能してやる。


(終)
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