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□黒い世界
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白い斬魄刀が舞う。


「次の舞・白漣」


破面に向かっての攻撃はわずかにそれた。

しかし、間髪いれずに多数の矢が飛来する。

石田の銀嶺弧雀だ。


「石田、茶渡」


そう二人に合図したルキアはタイミングを見計らい一度大きく後退した。

石田と茶渡による怒涛の攻撃はルキアのことを敵から隠す。


「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ
 雷鳴の馬車 糸車の間隙 光もて此れを六に別つ
 蒼火の壁に双蓮を刻む 大火の淵に遠天にて待つ
 縛道の六十一 六杖光牢  破道の七十三 双蓮蒼火墜!!」


そして放たれた光の枷に捕らわれた破面は双蓮蒼火墜をまともに喰らった。

それだけで攻撃の手がとまることはなく、敵の懐へと入ったルキアが袈裟懸けで切り伏せた。

破面は跡形もなく消え去った。

突如現れた時と同じように。




とんっと軽やかな音がして、その直後に一護はルキアにべちりと叩かれた。


「朽木サン、それはひどくないっスか?」

「その眼はなんだ、一護」


戦闘は無事終わり、一護の周りに皆が集まる。

その中でのルキアの暴挙に井上が慌てた様子でルキアを止めに入る。


「朽木さん。黒崎くん、体調悪いんだからダメだよ」

「この莫迦は言っても聞かぬのだぞ、井上!」

「まあまあ朽木さん。黒崎も反省しているようだし、今回は大目に見よう。次にこんなことがあったらぐうの音も出ないぐらいに叩きのめすといいよ」


石田がくいっと眼鏡を押し上げながらぶっそうなことをいい、茶渡も「ム…」と石田に賛同するようにうなずいた。


「ルキア」

「なんだ」


不機嫌そうに言い放ったルキアはじっと一護を見つめ、一度大きく息を吐いたあと、今度は戯れるように彼の額をぺちぺちと叩く。

一気に空気は和んだ。


「じゃ、解散ってことで」


浦原の言により、三々五々に散っていく。

それぞれの家へ帰っていった。


「チャッピー、一護を頼む」

「了解です、ピョン」


一護の身体を軽々と担いだチャッピーがルキアの後を追い歩きはじめる。

担がれた一護は、チャッピーに抵抗したためチャッピー本人により殴られ気絶していた。


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