U

□確かめて認める。
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自分がどうしたいのかも、わかんなくて。

頭ん中ぐちゃぐちゃで走って、走って走りついた先は黒崎家。

どうにか呼び鈴だけ鳴らして、待つ。

玄関で出迎えてくれたのはエプロン姿の義姉。


「ルキ姉、もうやだ…」


抱きついて、自分より低い位置にある肩に額を押しつけた。

そうしないと悔しいけど涙があふれてきそうだったから。

泣くという行為に慣れていないあたしは必死にそれを食い止める。

とんとんと落ち着かせるようにやさしく背を叩かれてなんだか呼吸するのが楽になった。


「夏梨、夕飯はかれえだ」


食べていくことが前提で、そうして受け止められていることが嬉しい。

手を引かれて、ダイニングへと入ると一兄がいる。

居て当たり前なんだけど、なんだかヘン。

居づらいというか。

二人しかいない空間にあたしが混じったから。


「どうした、夏梨?遊子と喧嘩でもしたんだろ」

「そんなんじゃないよ、別に」


あからさまに不貞腐れてみる。


「まあ、おまえがこっち来んの珍しいと思っただけだ。泊まってくんだろ」


どうしてこの二人は自然に受け入れるんだろう。

やさしすぎる。

また零れそうになる涙を慌ててうつむいて隠した。
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