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□あたたかな部屋と
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ぬくぬくとしている。
ほんの少し朝夕が冷えてきた今日この頃。
なのにあたたかい。
くるまっている毛布のせいではなくて、隣の彼の体温だけではなくて。
空気があたたかい。
陽のあたたかさ。
閉じていた目蓋を開くと白い光が室内を照らしている。
ああ、お日様が照らしてくれているからだ。
一護みたいな。
触れている肌が心地いい。
このまま、このままでいたいな。
起きてしまうのはもったいない。
目覚めてしまうのはもったいない。
小さく彼の名を呼ぶと「ん゛ー」と答え。
まだまだ目覚めそうもない。
せっかくの休日だし。
今しばらくこうしていよう。
穏やかな世界を壊してしまいたくないから。
一護のぬくもりを感じていたいから。
うとうととしてしまうのはこうして過ごす朝が久しぶりだから。
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