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□くっつきたがり
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「こら、邪魔をするな」


いつものように一護の部屋のベッドに寄りかかり、ホラーマンガを読んでいたルキアを一護はベッドの上に片手で引き上げた。

後ろから抱きしめ、細い身体に腕を回して肩口に顔を埋めている。


「一護、苦しい」


ぎゅうと力がこめられた腕はゆるまることはなく、黙ったままの一護。

ルキアはしかたなく本を閉じ、腹部に回された手に小さな手を重ねた。


「さきほど、私が構ってほしかった時は無視したくせに」


唇をとがらせ、悪態をついてみせても一護からの反応はない。

ただ、背中に一護のあたたかさを感じるだけ。


「いったいどうしたというのだ、一護」

「うっさい」

「うるさいとはなんだ!人が心配しておるのに」


一護の言葉に腹立たしくなったルキアは全力で抵抗を開始する。

腕の中から抜け出そうと一護の腕に爪を立てる。

しかし、一護は痛がりもせずにルキアを抱きしめたまま。

五分ほどした後、ルキアは大きく溜め息をつき背を預けた。


「俺、ダメかも」


ぼそりとつぶやかれた言葉にルキアは眉をひそめた。

普段、弱気な発言を滅多にしない彼がいったいどうしたのかと。

顔を見ようにも、防がれてしまう。


「駄目なわけがあるわけなかろう。貴様はちゃんとやさしいぞ。それに意外と人気者だしなあ。頭も良いだろう。オレンジの髪色もきれいだし、容姿もなかなかだ」


指折り告げるルキアの言葉に一護は伏せていた顔を上げた。





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