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□こたつのネコ
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がちゃりとドアを開けると、玄関にはルキアの靴しかなかった。

あいつら出掛けてんのか?


「ただいま」


そう大きくはない声で一護が告げるとリビングの方から「おかえり」と声が届いた。

もちろんルキアの声だ。

リビングに入った一護が見たのはこたつに入ってぬくぬくとしている彼女。

無性にあたたかくなりたくなった。

しあわせそうにしているのを見たら。


「これ、土産」


ルキアの目の前にコンビニ袋を置いた一護は、ルキアの後ろに座りこたつへと足を伸ばした。

嬉々として土産を取り出そうとしたところに圧迫をかけられ非難の声をルキアは上げる。


「せまい!ここに座るな、他へ行かぬか」

「やだよ。ここが一番あったけーんだから」


ぐいぐいと追い出そうとしていたルキアの動きが止まり不思議そうな表情をする。


「こたつにはあたたかいところとそうではないところがあるのか?」


特に定位置を決めずにこたつに入っていたが気にも留めていなかったな。

そうか、今ここの席が一番あたたかいのか。

一護に譲るために立ち上がろうとしたルキアを阻むように手が伸びる。

冷たい手に掴まれルキアはびくんと身体をはねさせた。


「どこ行くんだよ。おまえがいるからあったかいのに」

「わた、し…?」

「そ。あー、あったけ」


普段、俺よりもひんやりとしている手があたたかく感じる。

小さくて細い指に手を絡ませると、ルキアが一護の手をあたためるかのように息を吹きかけはじめた。



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