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□Aphrodisiac
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「いちごー」
風呂上りの俺に抱きついてきたルキアはいつもと様子がおかしい。
妙に舌っ足らずな発音で名を呼ぶ。
俺がいない間に一体何があったのだろうか。
三十分にも満たない間に。
風呂に入る前はいつものルキアだったな。
虚退治の後だったから長湯になったけど。
特別変わったことはなかったように思う。
「いちごー、聞いておるかー?いーちーごー」
「ヘンなもんでも食ったか?」
そう聞くと不満そうに俺から離れてベッドにぼすんっと転がった。
潜りこんでなにやら動いてる。
何やってんだ。
「むう、あーつーいー」
かと思えば、がばっと起き上がって人のタンスを漁りだす。
着ていた夜着を脱いで人に投げつける。
「おい、ルキア」
肩に手を置けば振り払われる。
つーんとそっぽを向いて顔をあわせようともしない。
勝手に俺のシャツを羽織ってそのままそこで膝を抱えた。
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