そのあと
□ただいまの行為
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「あ、待て」
そう言ってルキアが先に家の中に入った。
一度扉を閉めて。
すぐ開けるのだから閉める意味がよくわからないが、閉められたそれを開けて「ただいま」という。
「おかえり」
両手を広げて出迎えたルキアに抱きつく。
一週間ぶりの我が家。
遠征任務から戻ってきた。
家はやっぱり落ち着ける。
隊じゃ、あんまりベタベタすることはできなくて。
一週間もルキアと離れていたから不足を補いたくていた。
報告書をつくっている間中、ずっと。
ちらちらと視線を送っても副隊長は鈍くて気づかないのか、気づいていても知らぬフリをしていたのかわからないが俺の方を見ることもなく仕事に従事していた。
だから、余計に。
抱きしめた身体をひょいと持ち上げて奥に向かう。
ルキアが何か言っているが知らない。
十分我慢したから、もういいだろう。
一房掬った黒髪にくちづけを落とす。
じっとルキアを見つめながら。
恥ずかしげにうつむくから頤に手をかけて上向かせる。
視線を絡ませたままキスをする。
唇以外のところに。
額、
鼻先、
頬。
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