そして
□関係
1ページ/3ページ
「なぁ、ルキア。恋次っておまえの何?」
なんだ、突然というようにルキアは目をぱしぱしと瞬かせた。
学校の屋上、虚退治後二人きりで、授業時間をつぶすのに空を見上げていた。
「恋次か?幼馴染みであろう。貴様と有沢のような」
「そんだけか」
「それはどういう意味だ。まあ、ただの幼馴染みではないだろうな。家族…いや違うな」
遠い目をしている。あの赤い髪の顔を思い出しているのだろうか。腹が立つ。自分で聞いたのに無性に苛立った。
「一護、昨日テレビで見ていたやつと同じだ」
「どれ、あ〜野生動物のやつか?」
昨日二人で観ていたのは野生動物の一生。ライオンやペンギン、象とさまざまな動物たちの生きるか死ぬかの、でも彼らにとっては日常そのもののドキュメンタリー番組だった。
こいつは、真剣な眼差しで観ていた。自然の摂理に従って生きる彼らを。同情するでも憐れむでもなく、ただ受け止めるように。
「ペンギンが群れていただろう。強者から食われぬために。自分が生き残る確率を高めるために。あんな感じだ。一人では生き残れない、だから群れて生き残れるようにする。ある意味、戦友なのかも知れぬ」
こういう時なんて言えばいいのかわからなくなる。
自分の生きた年数よりも彼女の年数のがはるかに長くて、その中に触れることができるのは嬉しいけれど、辛い記憶も含まれているはずだから何もできない自分に腹が立つ。
それでも確かめたかったから次の問いを投げかける。
「白哉のことはどー思ってんだ」
「貴様、さっきからこれは何の質問なんだ。兄様は兄様だろう。拾われた身ではあったが、姉様と貴様のおかげで今は、家族だと思えるようになった、ありがとう」
礼を言われるとは思っていなかったので「イイエ、ドウイタシマシテ」と片言の日本語で返事をする羽目になった。
最後に、一番聞きたかったこと。