U
□気づく?
1ページ/4ページ
好機が訪れた。
ちょっと姐さんをからかって、ちょっといい思いができたらって思っただけ。
姐さんが部屋に入ってきた。
いつものことだ。
何もなくても姐さんは男くさいこの一護の部屋にくる。
オレ様が唯一姐さんと堂々とコミュニケーションをとれるところだ。
本当は姐さんの部屋に行きたいが、あの恐ろしい一護の妹が頻繁に出入りしているから行けない。
またあんなトラウマ作りたくないからな。
できるだけしかめっ面して、声低くして言う。
「ルキア」
「なんだ」
コイコイと手招きをする。声でばれないように。
姐さんは大人しく一護の身体に入ったオレ様のところにくる。
一護といる時の姐さんの定位置は一護の膝の上。
今もそれは変わらない。
姐さんから漂う甘い匂いにクラクラする。
腕を回してぎゅっと抱きしめる。
添えられた細い手に心臓がばっくばっくと破裂しそうなほど動く。
オレ様すげーしあわせ。
このまま一護が帰ってこなきゃいい。
そーすりゃ、姐さんはオレのもんだ。
そんなしあわせ長く続かないんだ。
あの野郎が帰ってきた。
部屋の窓から死覇装姿の一護が入ってくる。
さぞ姐さんはびっくりするんだろうと思っていたんだ。
オレ様と一護を間違って、顔真っ赤にする姐さんが見られると。
なのに、それなのに。