V
□背中あわせ
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部屋に戻るとあいつは当然のように居座っている。
人のベッドに勝手に座って、ちょっと猫背気味になって本を読んでいる。
俺とルキアは最近お付きあいというのをはじめて、はっきり言ってどうしたらいいかがわからない。
部屋に二人だけという状況はこれまでにも多々あって、なのにどう接したらいいかがわからない。
気まずくもなんともないのに、居ずらい。
あいつはそんなこと感じてもいないようだが。
堂々と我が物顔で占拠している彼女のそばによってみる。
あまりにも意識しいるのが自分だけみたいなのが悔しい。
ルキアとはしたいことがいっぱいある。
その細い身体を思い切り抱きしめたり、
そのやわらかそうな唇を己のそれと重ねたり、
できることなら、その先だって…。
やましい思いもあるけれど、それ以上にルキアという存在を自分の中にいっぱいにしたいんだ。
だけど今すぐできそうにはない。
なんというか怖くて、
自分を見失いそうで。