V
□まだまだ
1ページ/3ページ
ソファにルキアがいる。
何かを抱きかかえていて、
あえていうなら赤ん坊のような。
「どうしたのだ、一護。そんなところにいないでこちらへ来ればよかろう」
「あ…ああ。その子、どうしたんだ?」
赤ん坊に目を向けたままルキアが答える。
「ん…。この子の母親が今点滴中でな。その間だけ預かった」
「ふーん」
できるだけ端によって座る。
ルキアとは離れて。
眠っているのを起こさないように。
「もっと寄らぬか。ほら、こんなにも小さいのだぞ」
頭も手も足も小さくて、赤ん坊だからあたり前だけど。
指なんか小さいなんてもんじゃない。
本当に信じられないような生き物。
ずいっと差し出された赤子。
目が触ってみろって言ってる。
怖々その頬を指で触れてみる。