短編モノ
□感想のお礼用の小説
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『海』珍しく恋次編
「あっちぃー」
照りつける太陽が肌をやき、じりじりとした暑さが身体を蝕んでいく…
「恋次、はやくいこ〜」
水色の布地に青いストライプの入ったビギニを身につけた俺の彼女が背中を押して促す。
「わかったから押すなって」
足下の多少熱い砂を踏みながら
音をたて、波をおこしている海の中にはいってゆく
ひんやりとした冷たさが足元から徐々に這い上ってくる。
「つめてぇ…!」
一瞬息を止め、冷たさに耐える。
横の彼女を見れば手に所持していた浮きわの中に入り、机に伏すような形でうきわに身体を預け、波にさかわらずゆっくりと漂っている。
目は瞑り、完全にリラックスしていた
その姿に思わず吹き出しそうになったが、気持ちよさそうなその姿に思わず笑みが零れる。
「お前くつろぎすぎだろ」
後ろから覆うように抱き締めて顎に手を添えて顔を上向きにさせる。
「……ん」
深い口付けに息をもらし
顎を上げる手を捕まれる。
さすがに外ということもあり長い時間は出来なかったが、
唇を離して顔を離す前に
耳元で一言
「続きは部屋に戻ってからな……」
End.