短編モノ

□桃源郷
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暗い意識に身を投じながら眠りに落ちる


桃源郷に咲く花…


そう、キミにはこの表現があうだろう



触れることも叶わない桃源郷に咲き誇る花のようにキミは美しかった




いや、正しくは触れられなかった



気高く、人との関わりを好まなかったキミはいつも一人だった



隊長の私にたいしても素っ気ない態度



そこが案外気に入っていた


そんなある日、虚退治にでた彼女は変わり果てた姿で隊へと帰ってきた


血塗れになり、目は虚ろで心臓は動きを止めていた


……



「……夢か…」


夢を見たのなんてあの日以来だ…


懐かしいのか?自分は彼女のいたあの場所を去り、こうしてここに来た


……


決して…



懐かしいなんて事はない



決して………



絶対に…




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