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□in my dreams(フェリカイ)
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亡くなった人の魂が帰ってくる。
今はそんな時期らしい。

オレは、女王騎士を辞してから、レルカーの復興を手伝いに来ていた。
レルカーは田舎町なのでそのような風習もソルファレナより残っているようだ。また、先の戦いで身内を亡くした民も大勢出たからだろうか、子供の頃は全く気付かなかったが、町でもよく魂を迎える飾り付けを見かけた。

「お前も墓参りくらい行って来い!」

「そーだねー。」

里帰り(?)先のヴォリガのおっちゃんに言われてオレはソルファレナに向かった。


馬を進めながらどこに向かうかオレは悩んでいた。 

『墓…』

ゲオルグ殿、ガレオン殿の話ではあの人は光の中に消えてしまったという。
もちろんソルファレナに立派なお墓はあるけれど…遺体が収まっているわけはない。
だいたいあの人の魂が一か所に留まってるなんて思えないもんね。
オレは一旦ソルファレナから少し離れた郊外の森へ馬を向けた。





「きれいな星空を見ながら飲む酒はおいしいですよねー?」

日もとっぷりと暮れ、森の湖畔で星空を眺めながらオレは向いにも杯を置いて杯を傾けている。
向いの杯はフェリド様用だ。
この酒盛りがオレ流の墓参りの代わり。

フェリド様の好きだった、カナカン産のきつい酒。フェリド様へもお代わりを注ぐ。

「ここはほんとに変わらないなー」
盃を干してオレは呟いた。


ソルファレナから小一時間ほど馬を飛ばした郊外に位置するこの森。昔、フェリド様は息抜きと称してはオレをお供にこの森へ忍んで来たものだった。

馬を下りて、常人では行けないような獣道をしばらく行けば、人の手が入っていない湖のほとりに出る。手つかずの自然が美しい所だ。

若い頃はフェリド様にここで剣の稽古もつけてもらった。
ほんとに手酷くやられたけど、太陽宮では鍛練の時間にここまでフェリド様を独占することはできないから、直接手ほどきをしてもらえる貴重な時間だった。

そして稽古が終われば湖で水浴びし、そのまま抱き合う…という流れになってしまうこともあった。

フェリド様は昔に戻るというか、本性を現すというか、この森の中で過ごす時はまさに獣だった。

フェリド様があまりにも激しすぎて、オレが行為の後で動けなくなって膝枕で夜空を眺めながら休ませてもらったこともあった。あの時は朝帰りでガレオン殿に二人でしぼられたな…

ふふっと思いだし笑いが出た。

『ふー…』
ほぼ一瓶空けて、さすがにこの酒はキツイなーと地面に横になる。
上にはあの頃に見たのと同じ、きれいな星空。
そして、頭の下には温かく逞しい腿があるような気がしてしまう。

「んー、フェリド様…気持ちいい…」
あの頃のように頭を撫でられている。そんな気がする。



オレの夢の中では何もかも昔と同じで…

貴方の愛は大きくて、ずっとそのままで…

夢の中で貴方はオレの傍にいる…

ほんとに今までと同じように…

夢の中では変わらずに…

貴方の愛は強くて、ずっとそのままで…

夢の中では貴方はいつもオレと一緒で…

オレの心の中で、オレの夢の中で…

いつまでもずっと一緒に…

end
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