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□過去拍手5(ゲオカイ)
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食事の支度をするには少し早い時間だがカイルは台所にこもっている。
「今日は手伝わなくっていいですからっ!!」
ゲオルグはいつものように手伝おうとしたのだが、追い出されてしまった。
しばらく退屈しのぎに本を読んでいたのだが、だんだんと眠気がおそってきた。
どうやらそのまま寝てしまったようだ。
「?」
しばらくしてゲオルグはこの上もなく良い匂いに目を覚ました。
「これは…!?」
飛び起きて台所へ駈け込む。
「カイル!!チーズケーか!?」
「あー、もう分かっちゃいましたー?焼きあがってから驚かそうと思ったのにー。」
オーブンからは芳しいチーズケーキの香りが漂っている。
「チーズケーキに関してはごまかせないですねー。」
少し残念そうな顔をするカイルにゲオルグはガバッと抱きついた。
「大好きだっ!!」
「チーズケーキが?オレが?」
「チーズケーキもお前も大好きだっ!!」
「はいはいー。」
『オレも昔はケーキに嫉妬したもんだけどねー。』
今ではチーズケーキはカイルの味方の一つだ。
「もう焼けますからねー。」
目を輝かしているゲオルグをテーブルに着かせてケーキを取り出す。
『この姿を見たら誰もこの男を二太刀いらずとは思わないだろうなーホントかわいいんだからー。』
まだあたたかい焼きたてのふわふわチーズケーキを切り分けながらカイルは思うのだった。