カプ向けな20のお題

□11:電話越しの声(注パラレル・現代ゲオカイ)
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注意!!

パラレル!!→時代は現代。
       ゲオカイ


平気な方のみ下へお進み下さい。

      ↓















携帯がなってる…
夢…?じゃないな…。
ベッドから手を伸ばし、携帯を取る。

「…ちゃん?」
寝ぼけた声でここ数日一緒に遊んでいる子の名前を呼んだ。

「……。」
相手が沈黙してる。あれ、まずった?こんな時間に電話してくるからあの子だと思いこんだけど違った?最近他に電話してくる子思いつかなったなー?

まだ寝ぼけている頭の中がぐるぐるしている間に、電話の相手がとうとう声を発した。

ドスの効いた低い声。

「どこの女の名前だ…?」

「ゲオッ?!」

飛び起きた。2週間ぶりの恋人の声だが、喜ぶべき状況でないことは確か。

「俺が出張してる間、お前は女と浮気か…。」

はあーと溜息が聞こえる。

「誤解です!!浮気なんてしてないって!!ちょっと遊んだだけですってば!!」

「“遊んだ”のか…。」

声はさらに低いトーンになった。

ダメだ、絶対この人思いこんでるよ。何だよ、この失望と怒りに満ちた声。
そもそも2週間もオレをほったらかしにしてたのはゲオの方じゃないか!?いくら海外出張だからって1回も電話もメールもくれ無かった癖にっ!!
2週間の間の寂しさと怒りの感情がよみがえってきて、オレも我慢できなくなった。

「色々思い込んでるみたいだけどさ、アンタ身勝手だよ!!
電話の一本もよこさ無かった癖に!!」

「そんなの初めてじゃないだろう?俺はまめに電話する性質ではないし、大事なプロジェクトの間は集中したいんだ。」

オレの逆切れにも動揺する様子も無くいつものたんたんとした調子で言い返すゲオに、オレはだんだんと悲しくなってきた。
寂しくて、腹が立って、でもこんな感情ぶつけてもオレの独り相撲?2週間寂しかったのはオレだけ?

「もういいっ!!…。」

「カイル、お前泣いているのか?」

『泣いてなんか…』
と言おうとしたとたん、シーツに落ちた涙が眼に入った。

「う…。」
堪えようとした嗚咽が思わずもれた。

「全く、お前は…。」

あきれた様子のゲオの声。

「俺だってお前に早く会いたくて、睡眠時間削って仕事進めて、段取りつけて…。予定より早く帰国できたっていうのに。
その間、お前はどこかの女と遊んでたんだろ。文句の一つも言わろ。」

「…ゲオ…。」

そう、彼がオレの為にも頑張って仕事をしていたのは自分でも分かっていたはず…。もう、オレ何も言い返せない…。

「とにかく早く会いたくて、社長へ報告済ませて即、奴を振り切ってここに来たんだ。」

「え、ここって…?」

オレが言うと同時にガチャ、と鍵を開ける音がする。

慌てて寝室から廊下へ出ると、

「ただいま、カイル。」

携帯と目の前の本人の両方からゲオの声が聞こえた。

オレは携帯を思わず落とした。
そのまま目の前のゲオに飛びついた。

「…おかえり…。」
ぎゅっと縋りつく。あったかい。早く帰ってきて欲しかった。アンタがいないと寂しい。

伝えたいことはたくさんあったけど、ゲオの手が背中に回って、『もういい。』というようにポンポンと軽く背を叩いた。そしてその手がオレを肩に担ぎあげる。

「ゲオッ?」

「俺もお前が足りん。」

スーツケースを玄関に置きっぱなしで、ゲオはオレをベッドに運び、降ろした。そのまま俺の上に覆いかぶさる。

「ちょっと、いきなり…?」
軽く抵抗しようとして気づいた。既にゲオがオレに乗ったまま寝ているのに…。

『…何だよ、このヒトは…?』
だが、目の前の眠るゲオの顔にはクマがある。ああ、やっぱり仕事ハードだったんだ。
眠るゲオは、いつもの大人な表情ではなく無防備な子供のよう。

オレは彼の頭を撫でてあげた。

『今晩はこのまま眠らせてあげよう。』
オレはゲオを抱きしめた。
腕の中の大きな子供はすうすうと気持ちよさそうな寝息を立てていた。

end
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