カプ向けな20のお題

□14:あまのじゃくの溜め息(フェリカイ前提ゲオ→カイ)
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「はー…」

太陽宮の食堂にチーズケーキをつつきながら溜め息を吐き散らしている大男がいた。

『…落ち着かん…至福の一時のはずなのに…何故だ…?』

いつもならチーズケーキがあれば周りの物は視界に入らないのに、少し離れたテーブルで女官と談笑する男が何故か気になってしょうがない。

『髪がチーズケーキの色だからだな…』
と一人頷きながらチーズケーキへ視線を戻す。

さあ気を取り直してチーズケーキを、という瞬間、目の前にその男がやってきた。

「なーにやってるんですか、ゲオルグ殿っ?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、ゲオルグのチーズケーキを覗き込む。自然とカイルの顔が近くになり、ゲオルグの心臓は早鐘を打った。

「見りゃ分かるだろ、チーズケーキを食っている。」

動揺を隠しながらゲオルグは素っ気なく答えた。

「でも、ケーキボロボロですよー?」

「煩い、今からこれも食うんだから、邪魔しないであっちへ行ってくれ。」

手を振って追い払う仕草に

「もーゲオルグ殿、つれないんだからー。」とカイルは気を悪くした様子もなく、やはり笑顔で去って行った。

『また冷たくしてしまった…』と一旦フォークを置き、紅茶を口に含んだ。
見かけによらず人当たりの良いゲオルグなのだが、何故かこの所カイルには冷たくあたってしまっていた。しかし邪険に扱われても、変わらぬ笑顔を向けてくるカイルに悪いとも思いつつ、またいじらしくかわいいとも思っていた。

『ん、かわいい…?』ふと思い当たった感情にさらに心臓の高鳴りが止まらない。

『アイツはフェリドのものだし…いやそれ以前に男だぞ…』

「そんなはずはない…そんなはずはない…」独り言を呟きながら二杯目の紅茶を口に含む。

「苦…」
時間が経ち渋みのました紅茶に顔をしかめながら、再びゲオルグは溜め息をつくのだった。


end
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