カプ向けな20のお題

□15:思い出すのは(ゲオカイ)
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<注意>
R18
ぬるいですが、今までより少し強めの性的表現有。

苦手な方はお戻り下さいませ。

大丈夫というこころの広い方は下へどうぞ。






あの戦いからもう何年たっただろう?
女王殺しの俺は戦いの後、ファレナを去った。それがあの男との別れだった。


ファレナを発つ前夜俺は思わず口にした。

「俺と一緒に来ないか?」

「えー、冗談でしょー?」

たったそれだけのやりとり。カイルは女王騎士。俺の気まぐれな放浪生活につきあえる立場でないことは理解していたが、太陽宮を奪還してからの彼はどことなく様子がおかしく何となく辛そうに見えた。その日、俺はカイルの立場を考えて自制していた言葉を思わず口に出していたのだった。

軽くカイルが流したことに内心ほっとしつつもがっかりはした。

「さよなら…ですね?最後にも一回します?ヤリ納めに。」

「何を言っとるか…。」

あきれる俺に構わずキスをし、ふとカイルは体を離す。とすっとそのまま体を仰向けにベッドに横たわる。

「さあ、来て下さい…。」

淫靡な炎を瞳にたたえ、笑みを浮かべる。白い手が俺を招く。先ほどまでの幼い表情の彼とは違う、堕天使の誘惑に俺は抗う術はなかった。

事後、意識を飛ばし子供のような顔で眠る彼の頭をなでながら、
『こいつも各地にいる情人のように俺がこの地に来たときは迎えてくれるだろうか?』
と俺はぬるい考えを浮かべていた。


翌朝、彼には珍しく、俺が目覚めたときに既に姿はなかった。そのまま俺はファレナを後にした。
まさかこれきりとは夢にも思っていなかった。



1年後、俺は旅の途中のついでにソルファレナの様子を見に行った。
新女王・騎士長とも他国への評判も上々で俺はたいした心配もしておらず、フェリドの子供らの元気な顔を見に行く位のお気軽さで潜入したのだが…そこで予想だにしなかったカイルの出奔を聞かされた。

ファルーシュは恨めしそうに俺に告げる。

「『外の世界を見てみたいんです。』ってカイルは言ったけど、きっとそれは本音じゃなかったと思う。ただ僕たちには心配をかけたくなかったみたいだったから、僕も気づかないフリして行かせてあげたんだ。」

どうやらファルーシュも太陽宮に戻ってからのカイルの変化に気づいていたようだった。

「でも僕はカイルはゲオルグをの所に行ったんじゃないかと思ってたから…カイルがそうしたいならってあきらめようとしたのに…こんなことなら無理やりにでも引き止めておくんだった。」

黒いオーラを発したファルーシュは呟く。

『そういやこいつも妙にカイルに執着してたな。』
黒いオーラの毒気にあてられぬうち、そそくさと俺はソルファレナを出立した。


それまでは気の向くままに行き先を決めていた俺だったが、カイルの行方が気になっていたこともあって、足取りを辿ってみた。

半年前の出奔にも関わらず、このファレナとその周辺地方では目立つ彼の外見のこともあり、北へ向かったことがすぐ分かった。

俺は旅の進路を北へ取ることにした。しばらくはやはり同じように彼の目撃証言があり、後を辿ることができたのだったが、やはりファレナを遠く北へ北へと離れるにつれ、彼を見たという人の数は減っていった。
『奴の通ったルートを外れたかも知れないな…。』
すでにかなり北の方へ来ており、金髪・碧眼も珍しくなくなってきた。彼の特徴を言って聞き込みをしてもすでに半年前通った旅人の情報収集は容易ではないだろう。

『引き時か…』

そろそろあきらめどきか…という考えがが脳裏に浮かぶ。
元々ファレナを発つ際に誘いを断られた時点で奴に対しての気持ちに踏ん切りは付いている。出奔を聞いて少々気になりはしたが、こだわるのはここまでだろう…

そんなことを考えながら歩いていると、すっと金の長い髪が目の前を通り過ぎていった。。
心臓がドキッとする。思わず目で彼を追う。しかし金髪の持ち主はカイルとは似ても似つかないガタイのいい男だった。

「はぁ…」

『俺は何をやっとるんだ…』
と思わずため息が出た。





「…ん…あっ…ああっ!」
壮絶な色気をはなってカイルが腰を振ってくる。

「お前、いつもに比べてノッてくるのが早いな…。」

応戦しながら俺は口にした。

「…だって、最後だから、あぁっ…遠慮…してたら、勿体無い…でしょ…あ、いやっ…あっ、あーっ!」

それなら…と俺も手加減無く突き上げる。




「…!?」

はっと目が覚めた。
宿の部屋のベッドでまどろみながら、えらい夢を見てしまった。
やたら金髪の人間とすれ違うこの街でやはり影響されているのだろうか…アイツとの最後のセックスをこんなにリアルに夢を見るなんて…

『一体俺はいくつだ…』

下半身の異変に気づき、俺は舌打ちしながら着衣を寛げる。

手を伸ばし、目を閉じる。
心に浮かんでくるのは…

白いシーツに散らばる金の海のような豊かな髪。揺れる碧い瞳。しなやかな白い肢体…


事が終わり、醒めた頭で考える…

よりによってこんな時に出てくるのが、何故男で…アイツなんだろう…
今まで多くの男女と関係を持った
し、ファレナを出てから何人かの女と関係も持った。
それなのに何故思い出すのはカイルばかりなのか…

少しばかりの自己嫌悪に陥りながら俺は眠りにつくのだった。

end
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