カプ向けな20のお題

□19:二人で(ゲオカイ)
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体は疲労を感じているもののなかなか眠りにつけない。
早く寝なきゃ…明日もきっと忙しいよね。無理矢理目を閉じた。

戦いは終わった。
これから自分たちはファレナ復興に多忙になるのだろう。

でもこの人は…?
目を開けると、いつの間に起きたのか、すでにこちらを見ていたゲオルグ殿と目が合った。

「どうした?」
やさしく微笑みながら彼は問う。

「何でもないですー。」
彼の胸に顔をうずめる。
今の自分は変な顔をしてるかも…、正面からまっすぐ見られる自信がなかった。

「眠れんようだな…。」
オレの頭に手を添えて、ポン、ポンと優しくリズムをきざむ。

『いつもオレまるっきり子供扱いだなー。』
でもこの扱いは嫌いではない。というか、この甘えさせてくれる存在がなくなってしまうのは正直つらいかも。
そのままぎゅーっと顔を押しつける。

「おい?」

「…。」

返事を返さないオレを彼は両手で抱き締めてくれた。



「…ないか?」
しばらくして彼が口を開いた。

「…は?」
聞き取れず、身じろぎする。
すると彼はもう一度言った。

「…俺と一緒に行かないか?」

「…え?」

「近いうちに俺はファレナを出る。お前も来ないか…?」

「…。」

「二人で一緒に行かないか?」

「……。」

無言でオレはゲオルグ殿の瞳を見た。
金の瞳から発せられるその一途な想いに胸が締め付けられるのを感じた。

end
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