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□White day ネタ(フェリカイ・ゲオカイ)
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<ゲオカイ>
時間軸/本編終了数年後

2週間位で帰るつもりだ、といっていたゲオルグだったが、3週間過ぎた今日までまだ帰って来ない。

『いい加減寂しいんですけどー…』
毎度のこととはいえカイルも慣れるものではない。
ここ数日外に人の気配がする度に窓辺に行きゲオルグが帰って来たのではないかと様子を伺ってしまう。

カイルは、今日も退屈さと寂しさからファレナから来た手紙を引っ張り出して読み返し
『もう実家へ帰っちゃいますよー』
などと考えていたところ、ドアの外に立つ人の気配に気づき、走って行ってドアを開けた。

「ゲオ…あ、」
しかしながらそこに立っていたのは待ち人ではなく、顔なじみの郵便配達人だった。

「お届けものですよ。」

「ありがとうございますー。」
と小包を受け取ったカイルは差出人の名前を見ると、
「お疲れ様ですー!」
といつもならする配達人とする世間話もそこそこに部屋へ戻った。

ゲオルグからの小包には手紙が添えられていた。
『仕事が長引き予定より長引きそうだ。片付き次第戻る』
ゲオルグらしいといえばらしいそっけない簡潔な文章であった。

「……。いつ帰ってくるか全然分かんない…」
そして小包の中は小さなクッキーの包みであった。

「もう…」
おそらくVDのチーズケーキのお返しのつもりなんだろうが、とすると最低でも帰りは3月14日を過ぎるということであり、よりいっそう寂しさが増す。

『こんなことなら無理言ってオレも付いて行けば良かったなー。手紙読んで思い出して、いい加減ホント寂しい…』
16歳で太陽宮に連れて行かれてからは甘やかされて育ったカイルだけに、その夜は無意識に涙を流して眠りに落ちた。

未明、そっと頬を撫でる優しい手にカイルは目を覚ました。
「よう」
「…ゲオルグ…殿?…夢?」

「遅くなってすまなかったな」
と抱きしめるゲオルグは夢ではなく、現実の存在。

「…お帰りなさい…」
カイルもぎゅっとゲオルグを抱きしめ返す。

「もー寂しかったんですから…」
カイルは子供のように頬を膨らませ拗ねる。

「だからすまなかったと言ってるだろう?手紙は届いたか?」

「はい。手紙読んで、だからまだまだ帰って来ないんだと思って、余計寂しくなっちゃって…」

「だから急いで帰ってきたんだ。これでも2日間眠らずぶっ通しで来たんだぞ。いい加減許せ。」

暗がりに慣れてきた目でゲオルグを見れば、しっかりと目の下にしっかりとクマができていて、どうやら言葉通りの強行軍で戻ってきてくれたのは本当のようだ。

「じゃあ三倍返しで許してあげますー」

「三倍返し?」

「あとオレ甘いものだめですもん。クッキーよりゲオルグ殿でお願いしますー!!」
いつもの調子に戻ってきたカイルに少し安心しながらゲオルグは聞いた。

「本当にそれで許してくれるんだな…」
それなら望むところだとゲオルグは3日目の寝ない夜を過ごすことになった。

そして二人は明け方、幸せな疲労感に包まれて眠りに落ちたのだった。

end
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