カプ向けな20のお題

□10:偶然か運命か(ゲオカイ)
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その後、お互いに本物のゲオルグ、カイルだと納得した俺達は久闊を叙する為、酒場に入った。

「お前、バケモノか?年を取っとらんぞ?だからお前かと確証がなかなか持てんくてな…。」

「朱を入れなくなって、あと髪を切ってからは20代には見えるらしいですけどねー?バケモノはひどいなー。」

確かに昔も、朱を入れていない素顔は確かに年より幼く見えたことを思い出した。

朱を入れず、髪を切る…女王騎士を辞めたのだろうか。

そんな疑問を抱きながらも、問うタイミングを逃し、数時間飲み明かした。おそらく阿呆っぽい口調で多くの者が騙されてはいたが、実は巧みなカイルの話術の為に話しにくい件については自然と核心から逸らされているのだろう。
分かったのは、カイルは物遊見山の旅で、ゲオルグと出会う直前にこの町についたばかりであったということであった。

店が看板になったので、俺達は外へ出た。
もう1件行きますかー、それとも解散しますー?とふらつくカイルが歩き出した。
しかしこの町は夜が早いようで、既に人影もなく、盛り場の灯りもそろそろ消えていく様子である。どうやら次に入れる店は無さそうだ。

「カイル…オレの部屋で飲み直さないか?」

「いーですよー。」
相変わらず前を向いたままのカイルの表情は分からない。

『…確かめたい…』
彼の表情を?気持ちを…?望みを…?自分の考えがまとまらぬままだったが、ここでまた彼と離れてしまうのは嫌だった。

「こっちだ。」
彼を追い越し際に肩を叩いて俺は彼を宿の方へ誘った。

end
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