リク&拍手
□プリン伯爵との出逢い
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………歩いて来たのは間違いだった。
ぜぇはぁ、と肩で息をするルルーシュに体力は微塵も残ってはいない。
意気揚々と宰相府を出発したルルーシュは、入口で待機していたランペルージ家の運転手に「歩きで行って来る」と断りをいれたのが間違いであった。
政庁から施設までの距離が、こんなに離れているとは知らなかったのだ。
ジェレミアと行動する時は車なのだが、短い時間でも休んでほしいと副官に言われている為、車での移動中は全て睡眠に費やしていたのだ。
だから宰相府からキャメロットの研究所までの道のりの長さを知らないでいた。
<ジノは私に逢いにくる時、あの距離をいつも歩いていたのか?>
屋敷でジェレミアに苛められていても、流石はラウンズなだけの事はある。
別の意味で感心してしまうルルーシュだった。
漸く見慣れた研究所施設を目視出来た。
施設入口に佇む兵士に身分証明を渡せば、驚愕の表情に変わり、頭の先から足の先まで眺められた。
「私の身分紹介は済んだのか?入ってもよろしいのか」
兵士の視線に気分を害し、美貌の表情を歪め、兵士を睨み付ける。
「紹介は済んでおります」と慌てて敬礼をした兵士は、ルルーシュに入室許可を出した。
許可書を受け取ったルルーシュは、兵士の横をすり抜けるように通り過ぎた。
兵士に目もくれず歩き出したルルーシュは気付かなかった。
兵士の顔が真っ赤に染まっていた事に…
凛とした姿で歩く美貌の女性の背中を、見えなくなるまで見送っていた。
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