短編小説
□運命
1ページ/9ページ
待ち合わせ場所で30分待っても、待ち人は来ない。
「大切な話しがある」と告げたとき、相手の反応は微妙なものだった。
高校に通い出して初めてできた“恋人”と呼べる存在。だからこそ、胸の内に隠し続けている秘め事を話そうと決意した日、衝撃的な現場を目撃してしまう。
大人しく待ち人が来るのを待つか、メールでどこにいるのかを訊ねればよかったのか…
傷付いたルルーシュに正しい判断などできるはずもなく、ただその場から静かに立ち去る他なかった。
重なり合うふたつの影。
見知らぬ相手を見下ろしている恋人の姿に、知らず涙が浮かび、流れ落ちる。
.