リク&拍手
□変態さんにご用心?
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ルルーシュは幼いながらも、自分の魅力(無自覚)で周囲の人間を虜にしている。
あの『冷酷非道』『前世は魔王』と噂されるシュナイゼルでさえも、目に入れて痛くない程ルルーシュを溺愛している一人だ。
実の父であるシャルルも、異様なまでにルルーシュに愛情を注いでいる(だが、ルルーシュには伝わらない)。
そして最悪な事にルルーシュの魅力は、とある変人をも虜にしてしまったのだ。
その変人の悪友(不本意)であるシュナイゼルは内心焦っていた。
今までKMFにしか興味を示さなかった変人伯爵が、ルルーシュに興味を持ってしまったのだ!
青春時代も全て機械とプリンに愛情を注いでいた男は、愛くるしい子供に一目惚れしてしまったのだ!!
危機的状況。
しかも、よりによってルルーシュの“騎士”になりたいと、毎日のようにシュナイゼルの執務室に押し掛けて来る始末(しかも泣きながら!)。
鬱陶しいにも程がある!
シュナイゼルは頭を抱えた。
神聖ブリタニア帝国宰相閣下が頭を抱える姿は、絶対お目にかかれない状況だ。
執務室を出入りする文官達は、見てみぬふりを決め込んでいる。
どんなに追い払っても“ハエ”のように纏わり付く男(ロイド)。
脅し文句も何も奴には通用しない。
―――――このままでは、私の可愛いルルーシュが、奴の毒牙に掛かってしまう!
爵位を持っているからといって遠慮する事はない。
事故に見せかけて抹殺する事くらい、シュナイゼルにとって朝飯前なのだから。
俯きながらもうっそりと微笑むと、
「兄上。頭が痛いのですか?」
可愛い幼い声が前方より響く。
瞬時に黒い笑みを隠し顔を上げ周囲を確認すれば、己の身長と同じ高さの机から顔を出しているルルーシュと視線が合った。
一生懸命に背伸びをしているのだろう、焦りを含んだ表情でシュナイゼルを見上げている。
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