リク&拍手

□プリン伯爵との出逢い
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職員も帰宅し電気の落とされた宰相府の一室。

“主任室”と書かれたプレートを提げた扉の中に居る人物は、いつもの様に眉間に皺を寄せ、1枚の報告書を無言で睨み付けていた。

何時もなら主任補佐のジェレミアが、主人の機嫌の悪さに声を掛けていたのだが、生憎その補佐官は主任代理で宰相会議に出席している。


「相変わらず何だこの金額の請求書はっ!己の趣味で作成したKMF資金の他に、何でこんなに雑費に金が掛かるっ!?」


バンッ!!

力の限り机を叩く。
痛みで涙が浮かんだが、怒りの方が勝っていた。

軍事施設に足を運ぶ事は、ジェレミアが黙ってはいない。
特にキャメロットに向かう時が一番煩い。
ルルーシュも入口までしか行った事がなく、その先はいつもジェレミアに任せていた。
(というよりもジェレミアが邪魔をして、入口より先に入らせてくれないのだ)

何も考えずルルーシュの仕事を邪魔するはずはないのだ。
何か考えがあってジェレミアは、ルルーシュをキャメロットに近付けさせないのだろう。

一番信頼している部下の行動なだけに、ルルーシュは深く気に掛けていなかった。

ルルーシュがキャメロットに行く事をジェレミアが阻む理由が、あの研究所に出入りする皇族に関係しているとは本人のみが知らないでいた。

だが、今はそれどころではないのだ。
期限が過ぎてから、何時も提出される経理書類。
あり得ない金額。
雑費という名の………プリン代。

雑費にしては多い金額だと不思議に思っていたが、本来の雑費の金額の半分以上が責任者のプリン代に消えている事に気付いたのは半月前。
「本当にそうなのか?」と疑ったルルーシュはキャメロットに密偵を送り込み、地道に捜査したところ事実が発覚。

本日行動に移す事にしたのだ。


「直接乗り込んで問い詰めてやる」


くっくっく。
と笑うルルーシュに、いつもの美貌はなかった。


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