好きだから…
□StoryU
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時期は梅雨に入り、じめじめした天気が続いた。
4人の関係も変わらなかった。
けれど、いつしか4人の知らないところで美形グループと学校で噂されるようになっていた。
そんな4人組は今日も仲良くクラスで一緒にお昼を取っていた。
「嫌だーー!」
「芽依、しょうがないでしょ?クラス対抗リレーは全員参加なんだから。」
「理奈は、運動神経良いからね!!私は違うの!!絶対にみんなの足を引っ張るに決まってるんだから!!」
「そうだよなー。去年は酷かったしな。」
「え?なにそれ?聞きたい!」
「あのな〜」
「聖也!」
「まぁ、芽依、落ち着いて。時間まだあるから。練習頑張れば、何とかなるよ。始めから諦めてないで、試してみよう?」
「う、うん」
信人にそう言われて大人しくなる芽依を聖也が、面白くなさそうな顔をしながら見る。
ムニッ
「いひゃい!せぇいやぁ、いひゃいって〜」
聖也に頬をつねられた芽依は、涙目になりながら聖也をポコスカと叩きながら抵抗した。
すると、思ったよりもすんなりと聖也は芽依の頬をつねるのを止めた。
「もう!何するの!聖也の馬鹿!」
「…………本当に、聖也は馬鹿だね。」
「?」
席を立って足早にクラスから出て行く聖也を芽依が睨んでいると、理奈が続いた。
理奈の声は呟くように小さなもので、芽依は聞こえなかったのか、聞き返すように理奈を見つめた。
「何でもないよ。さ、食べよ♪」
「うん。」
「にしても、聖也はどこに行ったんだ?」
「さぁ?また、屋上じゃない?」
「えぇー!また!?」
聖也を除いた他の3人は、他愛ない会話を楽しみながら残りの昼休みを楽しんだ。
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