ただ君を想う

□第2話
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「お〜〜い!!直人〜〜ナオトく〜〜〜ん」

病院から孝明のマンションに帰って来てからずっとこんな感じで俺を呼んでくる。

内容が分かっているだけに聞きにくい。

「…………ナニ?」

「そんな嫌そうに聞かなくてもいいじゃん〜うまく仲直りできたんでしょ?」

「まぁな。」

「やっぱり♪直人、幸せオーラが出てるもん♪♪」

なんだ!?幸せオーラって。

俺が怪訝な顔をすると孝明はそれと比例するようにますますニンマリ顔になっていく。

「で、何だって?早苗さん。」

「“良い思い出、たくさん残そうね”って言ってた。」

「良かったじゃん。直人。」

そう言った孝明の顔は本当に自分のことを思っていってくれたものらしく、俺も素直に受け入れた。

「あぁ。ありがと、孝明。世話になった。」

「本当にそう思ってるなら、高校行けよ〜〜〜俺、超板挟み状態なんだけど〜〜俺の身にもなれよな〜!」

「いや、お前の身にだけはなりたくない。そんなに裏表ある奴には。」

「おいおい。そんなにはっきり言うなよ〜〜〜傷つくだろ〜〜俺も気にしてんだからさ〜〜」

言葉と表情が全く一致していない。

「じゃあ、俺、マスターの所に帰る。」


「ふ〜ん。たまには、こっちに遊びに来いよ〜」

「あぁ。そうする。…………昨日はありがとうな。感謝してる。じゃ。」

俺は孝明に早口にそう言って玄関を出た。


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